南の島物語

北海道から倉田さん達がジギングに来た。

かれらは、勢寿丸船長の「勢ちゃん」が気に入りだ。

その勢ちゃんも、もう還暦近い。

普段は寡黙だが、アルコールが入ると「ここまで出すか～」と思うぐらい駄洒落を連発する。

一緒に飲んだ時の話だが、

「勢ちゃん、オイラとこの猫は、ムロアジやサバしか食わない。他のエサ食わないから、サバ釣ったら取っといてよ～」

「ニャンとも困った猫だね～」


「今年、南のパヤオはシイラだけだったね～。何でマグロが着かないんだろうね～」

「シイラなぁ～い」


まことに、滑べってしまうオヤジギャグだ。最もオイラも、ダジャレでは負けてない。


「パパ～、コメジ（小さいキハダ）やスマガツオは美味しいから、小さくてもリリースしないでよ～」

「いやいや、コメジったな～（困ったな）。スマない。今度釣ったら取っとくよ～」

2人でこんな調子。

一緒に飲む連中は疲れてしょうがないようだ。




そして、その勢ちゃんが、大根をお土産にやってきた。

何とその大根は、やたらイヤラシイ。見る人によれば艶めかしいとも言えるが、オイラには笑える域を超えてる。


「これパパに似てるから～」






確かに、お腹のメタボぶり、毛の生え方。

「何処でオイラのを見たんだ～。笑えない！」





今日は、その倉田さん達と一緒のジギング。

このところの八丈島は、まだ水温が高い事もあってカンパチなおの青物は120～160メートル台。

それも、中々渋い。

でも、魚はいない訳ではない。


オイラは何とか2尾釣ったが、彼らは地合を逃してしまった。


「きょうのカンパチは真面目な公務員なんだよ～」

「なんで～」

「日曜祭日は休みだ～」



「う～、寒い！」



でも、翌日はしっかり釣りました。







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