カテゴリ:山とスキーの道具
LYNXユーザーの多くが待ち望んでいた、かもしれない、柔らかい板バネ、「エクストラ・ソフト・メインプレート」を、試しに購入してみました。
自分の体重と用途には、2021-2022年モデルのメインプレートとフレックスプレートの組み合わせで充分使えると思いますが、新発売された話題のプレートも気になります。感触次第で、LYNXの使い道が更に広がるかもしれません。 一般的に、スキーの長さと硬さは体重と用途によっておおよそ決まるものだと思いますが、テレマークビンディングの足上げの硬さも、体重とライディングスタイルに左右されるような気がします。自分の場合は61キロ前後なので、およそ日本人男性の平均付近ということで、スプリングの硬さもスタンダードで問題ないのですが、好みでいえば、柔らかめが好きです。そのため、LYNXの柔らかいプレートも試してみたくなりました。 代理店の方が掲載していた見本写真は半透明の黄色っぽいもので、材質も変更されたのかと思いましたが、実際に来たものは、上の写真のように、2022年以前のモデルのプレートと同じような材質に見えます。 購入先のICIの担当の方によると、Sサイズは代理店の見本写真のような色と材質で、Lサイズは今まで通りらしいです。 しかし、形状の方はかなり変更されています。 幅は、本体に差し込む部分から屈曲部にかけて、左右で合計約2ミリほど絞ってあり、その分、カムが引っかかる部分は小さな突起だけになっています。 なぜ、カムが引っかかる部分をこんなに小さくしてしまったのか、ここまで小さいと、この突起が割れたり削れたりして、あるいはプラスチック製のカムの経年劣化で内側が若干広がった時に、素通りしてしまわないか心配になります。 恐らく、ウエストを絞る部分をできるだけ長く取るため、この小ささになってしまったのだろうと思われます。 耐久性テストをしたわけでもない素人が、とやかく言うことではないのかもしれませんが、小さくて頼りなげです。 この突起は、構造的には力がかかる部分というわけではなく、位置決めの役割のようなので、カムにしっかり収まっていれば削れることもなく、耐久性に問題はないのかもしれません。 ただ、単体で雑に扱うと硬いものにぶつけて突起を割ったりしてしまうこともありそうなので、予備として山行に持ち歩く時はカムに入れて持っていった方が良さそうです。 厚さに関しては、感触の良かった純正品(2021-2022モデル)が2.27から2.28ミリだったのに対して、「エクストラ・ソフト・メインプレート」は2.02から2.05ミリと、0.22ミリから0.26ミリほど薄くなっています。色も若干黄色っぽく見えます。 なお、メインプレートにはカム(カムストップ)も付属しています。 このカムは、2022年モデルのものと一見同じようですが、プレートの突起が引っ掛かる内側の溝の形状が違うようです。 2022年モデルのカムは、プレートの形状に合わせてなめらかに絞ってあり、エクストラ・ソフト・メインプレートに付属の方は、段差になっているように見えます。 そのため、エクストラ・ソフト・メインプレートを使う場合は専用のカムを使う必要がありそうです。 メインプレートの突起とカム内側の溝の形状が変更されたことで、純正と比較して、カムの固定位置が前側に2ミリほど移動することで、カムを押さえるコイルスプリングのプレロードが若干弱まったように感じました。 小さな突起にかかる負担を軽くするため、以前のモデルに比べてプレロードが弱くなるよう、意図的に突起を前にズラしたのかもしれません。 その結果、メインプレートの交換が純正品より楽になりました。 一方で、セカンドヒールを固定するクロウを倒す力(起こす力)が弱くなり、滑降時に誤解放しやすくなるのではないかと懸念されます。 2021年以前のモデルで、誤解放防止のために新品時からパワースペーサーを入れている場合は、静止時にも常にプレロードがかかっているため、スプリングがへたっている可能性もあるので、余計心配になります。 2ミリほどプレロードが弱くなったとすれば、スプリング側に2ミリのカラーを入れてやった方が安心かもしれません。 私の場合は新品時にパワースペーサーは入れておらず、まだ1時間も乗ってないので、スプリングのヘタリはほとんどないと思われます。 そのためか、ブーツを取り付けて数回ヒールを持ち上げたりしているうちに、新品のカムが馴染んできたのか、組付け時よりクロウの固定にメリハリが出てきたようです。 いずれにしても、セカンドヒールとクロウの間には、構造的に若干の隙間が空いてしまうので、プレロードを強くしても、メイジョーやNTNフリーライドに比べると、セカンドヒールのガタは仕方がないようです。 余談ですが、購入時、メインプレートの表面やサイドの切断部分にグラスファイバーの荒れやバリが出ていたので、800番と1000番のスポンジヤスリを使って除去し、丸めておきました。 グラスファイバーの繊維は僅かでも付着すると気分的に手がチクチクするので、現地で交換することを考えると事前に処理しておいた方が良いかも知れません。 乗り心地に関しては、週末のお楽しみです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.01.26 10:14:53
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