テーマ:ニュース(99430)
カテゴリ:ニュース
こんにちは。
古いニュースですが、6月4日付けのCNNやBBCのニュースによれば、アフガンとの国境付近のパキスタンで、米国のドローンという無人機のミサイル攻撃によって、15人が殺害されたそうです。 米国側は、アルカイダのリーダーを対象にしたものだったと言っていますが、パキスタン側は違法な攻撃だと米国を非難しています。 私は、このような無人機の攻撃について何か釈然としないものを感じています。 1. 攻撃する方は無人機で攻撃される側は生きている人であること。殺す側も殺される可能性があるという戦いの持っていた対称性が失われていると、歯止めのない殺戮を招く恐れがあるのではないでしょうか。 2. 主権侵害の恐れはないのでしょうか。今回の攻撃の詳細についてあまり知らないのですが、パキスタン側が非難している所から見ると、攻撃された人のいたパキスタンという国の了解は得ていなかったようです。 3. 誤爆や巻き添えの恐れ。攻撃対象だけを正確に抹殺することは現在の技術では不可能なので、関係のない人や関係の薄い人も殺される可能性がぬぐえない気がします。 4. 誰がどのようにして殺害対象を決めるのでしょうか。このような無人機による攻撃に関しては、大統領と安全保障担当の高官が対象者のリストを決定し、個別の攻撃ごとに大統領が自ら決定を下すそうです。少なくとも外部からその「妥当性」を検証することはできそうにありません。 5. このような方法は合法なのでしょうか。第二次世界大戦中に山本五十六連合艦隊司令長官が米軍機の攻撃によって殺害されたように、国家対国家の戦争であれば個人を対象にした攻撃も許されるのかもしれませんが。「テロリストとの戦い」は「戦争」なのでしょうか。 6. BBCの音声によるニュースでも触れていましたが、このような方法は有効なのでしょうか。制服を着ていない「テロリスト」を対象とした無人機による攻撃は、3.で述べた「弊害」なども考慮した場合に、全体として有効なのでしょうか。 7. BBCの音声によるニュースで触れていましたが、同じ方法を取る国が現れる恐れはないのでしょうか。中国やロシアなど高い軍事技術を持つ国が同じような方法取り始めたら、その対象者や方法を外部からチェックする手段はほとんどなさそうです。広範な「弾圧」を招く恐れはないのでしょうか。 8. 技術の進歩による隠密化。ロボットなどの関連技術が進歩してくれば、ほとんど誰にも知られずに個別の対象者を抹殺できるようになるのではないでしょうか。空恐ろしい気がします。 まとまらないまとめ ドローンによる攻撃を含めて新しい戦争や戦いのあり方について、国際的なルールを作って一定の制約を設ける必要があると思います。 ------------ 参考: 参照した情報の一部を記載しておきます。 ・ Official: 15 militants killed in suspected U.S. drone strike in Pakistan http://edition.cnn.com/2012/06/03/world/asia/pakistan-drone-attack/index.html ・ BBC News - US drone strike 'kills 15' in Pakistan http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-18320431 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.06.06 15:26:33
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