ＮＨＫ大河ドラマ 『真田丸』 。
戦国時代の駆け引きや戦闘シーンの面白さだけでなく、人間の
喜怒哀楽を随所で感じるドラマです。

豊臣秀吉（小日向文世さん）が徳川家康（内野聖陽さん）の
真田攻めを許したと聞き、居ても立っても居られない真田
源次郎信繁（堺雅人さん）。

秀吉になんとかしてもらおうと必死になるあまり、無礼を
承知で秀吉についワーワーと訴えてしまいます。
「うるさいっ！」と秀吉に一喝されてやっと黙りますが。

その後で秀吉から出雲阿国の舞を見るから一緒にと言われ、
そのときにこの真田攻めを許した真相を聞きます。
家康と互いに顔を立てあったということで、後ですぐに戦の
中止を命じるという筋書きでした。

「安心せい。真田はわしが守ってやる。」
秀吉の確かな言葉を聞いて、やっと安心する源次郎でした。

さて、浜松に向かった片桐且元（小林隆さん）は、腹芸の
できる男ではないからと、事の真相を知らされてません。
浜松に着いたときは意気揚々、使者のお役目を果たしていた
のですが、その後は状況が一変。
寝ていたら鎧武者が近づく気配で目が覚め、本多正信
（近藤正臣さん）から至急、家康の元に来るようにと。

秀吉から急に停戦命令が出て、家康は激怒です。
でも、そんな話は全く知らされていない且元なので、
「大坂を発つときは、そのような話はひとつも！」
と釈明するのが精いっぱいです。

且元さん、可哀想に、もうストレスフル状態です。
胃がキリキリと痛んでいるようです。
この方はこの調子でこれから幾度も、誰かと誰かの間に
挟まれて、自分の知らないところで話が急に変わってて、
間に立ってる自分はどうしよう？！
なんてパターンが、大坂の陣までずっと続きそうですね。

真田サイドでは、源三郎信幸（大泉洋さん）が、言うことが
コロコロ変わる父・昌幸（草刈正雄さん）に振り回されて、
且元さんとよく似た状態になってます。
信幸兄と且元さん、いつか酒でも酌み交わしながら、互いの
苦労を一晩中でも語り合ってくださいね。

そして上田城の様子はというと、徳川が攻めてくるから、
昌幸は「新しき策」で迎え撃つと言ってます。
昌幸パパが出浦昌相（寺島進さん）にちょいと目配せして
いるのが気になりますが。

でもしばらくしたら昌幸は、今は徳川家に仕えている弟の
信尹（栗原英雄さん）から、家康が真田攻めを取りやめた
との知らせを受けます。
「信尹の言うことじゃ。間違いはない。」
昌幸の弟に対する絶対的な信頼です。

うわ～。
信尹って名前が出ただけでも、栗原英雄さんのお顔が私の
脳裏にふっと浮かびます。
出番は少なくても、素晴らしい存在感ですね。

結局、昌幸が言ってた「新しい策」とはハッタリでした。
（出浦さんだけはわかってた？笑）
これで時が稼げたとわかった昌幸は、この上田の城下を
鉄壁の要塞にする計画を進めることにしました。
ただ一人、源三郎信幸だけは「父上、早く上洛したほうが
よいのでは…」と不安そうですが。

さてその頃大坂城では、自分の妹の旭を家康に嫁がせた
というのに、家康がいっこうに上洛しないことに秀吉が
苛立っていました。
あとはもう自分の大切な母（大政所・なか）を徳川に人質に
送るしかないと、秀吉は決めます。

豊臣家での家族会議で、母のなか（山田昌さん）に
「頼む、おふくろさま、家康のところへ行ってちょーせんか。」
と話をします。

秀吉の妻・寧（鈴木京香さん）はもちろん大反対で、
「母上様が許しても、私が許しません。」と、夫・秀吉に
正面きって反論します。
秀吉にここまで言えるのは寧だけだし、秀吉も寧には自分の
やることを理解してもらいたいから困った顔になってます。

そんな空気の中、なかが「あのぉ…」と言い出します。
「藤吉郎がそれで助かるなら、私は喜んで行くぜぇも。
　私はよう、藤吉郎のおかげで、こんな贅沢をさせてもらってる。
　この年になって、藤吉郎の役に立つなら、私、嬉しいよ。
　喜んで行かせてもらうでなも。」

これなんですよね。
かつて真田のばば様（とり：草笛光子さん）も、息子の
昌幸に「こんな年寄りでも役に立つなら、喜んで人質に。」
と自分から申し出ました。

いくつになっても親子は親子。
どれだけ息子が出世して立派になっても、母は自分だけ。
可愛い息子が困っていて、自分が役に立つなら喜んでと
命をかけて動く母たちです。

非情無常の戦国時代の、老いた母の決意に感動でした。
「百姓だった自分が秀吉のおかげでこんな贅沢を」といった
思いをしみじみと感じさせてくれる山田昌さんの演技に、
静かな感動を覚えた時間でした。

（長くなるので、ここでいったん分けます）

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豊臣家の皆さん、頑張って名古屋弁を使ってくれて、ありがとなも♪
（画像は、名古屋市中村区にある豊国神社です。）