ＮＨＫ大河ドラマ 『真田丸』 。
第３０回の前半は、二人の老人（秀吉、矢沢の大叔父）の
生き様と、それぞれの忠と義と信を持つ若者たち（三成、
源次郎、清正）を見た回でした。

１５９６年の慶長伏見大地震で真田昌幸（草刈正雄さん）が
気合いを入れて造っていた建設中の城は、ほとんどが崩れて
しまいました。

しかも城の再建について石田三成（山本耕史さん）は、
新たな城はこの木幡山に築くが、戦うための城ではなく、
豊臣秀吉（小日向文世さん）の住まう城にする、
安房守（昌幸）は堀の普請に回ってもらう、とのことでした。

伏見の真田屋敷で、昌幸はがっくりと肩を落としてます。
源三郎信幸（大泉洋さん）と源次郎信繁（堺雅人さん）は、
そんな父を見守るしかありませんでした。

伏見に城ができるるまで、秀吉たちは大坂城に移りました。
そんな折に、イスパニアのサン＝フェリペ号が四国土佐沖に
漂着し、長宗我部元親の命で船は浦戸湾（現在の高知港）に
留め置かれました。

その報告を聞いた秀吉は、約７０万石の値打ちがある船の
積み荷で、今回の大地震の損失を埋めようと画策します。
そしてバテレン追放令を理由に、６人の宣教師と２０人の
日本人信者を、長崎において磔の刑にしました。

前年の関白・秀次の妻子たちを処刑したときといい、今回の
信者たちの処刑といい、秀吉から下るむごい命令を実行しな
ければならない三成は、辛い立場だったでしょうね。

秀吉の常軌を逸した判断を、大谷吉継（片岡愛之助さん）は
危惧し、一方、徳川家では秀吉のもうろくの進み具合を探る
べく、何か画策を始めました。

さてそのころの昌幸は、城造りの楽しみがなくなって、また
仕事をサボって吉野太夫（中島亜梨沙さん）のところに入り
浸っていました。

「殿下の話など、もうよい…。」
ああ、パパったら、仕事のヤル気が出ないからって、太夫を
口説いて遊んでいるなんて、ちょっとひどくないですか？

それにしても、太夫の座敷のセットは２つの花瓶の花が毎回
変化して綺麗です。
これは大坂編ならではの楽しみですね。

文禄５年(1596)９月、大坂城で明の使節団と和平交渉が行わ
れた際、明の態度に秀吉は激高するのですが、大声を出して
腹に力が入った秀吉は居並ぶ諸将の前で失禁してしまいます。

源次郎と三成はとっさにごまかしましたが、秀吉の老いが
誰の目にも明らかとなりました。
再び朝鮮に戦に出る前に秀吉と会った加藤清正（新井浩文
さん）は、かつては親父殿と慕った秀吉のあまりのもうろく
ぶりに、思わず泣き崩れてしまいました。

秀吉の容態を探ろうとする兄・源三郎に対して、源次郎は
真実を語らないままでいます。
それが源次郎には苦しくて、妻の春に胸の内を吐露します。

「私の人生で、あの人のようになりたいと思う人が二人いた。
　その二人から、同じことを言われた。
　「わしのようになるな」と。

　一人はお家のため、人の道を捨てた。
　一人はお家のため、己の信念を曲げた。

　だから私はそうならぬよう、心がけてきた。
　秀吉様にお仕えした以上、豊臣家に背くは義に背くこと。
　おかげで今、息ができぬほど苦しい思いをしている。
　義を貫くとは、これほど厳しいものなのか。」

さて沼田城にいったん戻った源三郎は、秀吉が倒れて天下が
再び乱れたときのことを考え、この沼田城に天守を造り、
難攻不落の城に造り変えると重臣たちに伝えます。

それを聞いて、大叔父の矢沢頼綱（綾田俊樹さん）は
「生きているうちに、また戦に出られそうじゃのう。
この矢沢薩摩守頼綱、床の上で死ぬるわけにいかんわ。」

戦大好きのこのご老体は、これからのことを想像したら急に
全身に力がみなぎってきて、ワクワクしていました。
しかしほどなく、矢沢頼綱は城内で急死します。
“ピンピンコロリ”で生きた８０年でした。

そのころ大坂城では、秀吉のもうろくがますます進んだため、
急ぎ５歳の拾を元服させました。（羽柴藤吉郎豊臣朝臣秀頼）

そして秀吉は源次郎を付き添わせて大坂城の最上階に上がり、
眼下に広がる大坂の町並みを、「この眺めも見納めじゃ」と
眺めていました。

誰も見たことがない城を築き、城の周りには大きな町を造り、
驚くほど賑やかで、騒がしくて、活気にあふれた日の本一の
町を、秀吉は造り上げました。

でもそれでも秀吉は、京から天子様をお迎えできなかった
ことを悔やんでます。
そんな秀吉を源次郎は、秀頼さまがきっと成し遂げるだろう
と励まし、秀吉は幼い秀頼に夢を託すのでした。

（長くなったので、いったん分けます）

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京都の伏見には１０年前に一度行きました。
当時は幕末の部分ばかり見ていたので、今度行ったら
戦国もゆっくり味わってきたいです。