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March 17, 2017
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カテゴリ:興味を持った話題
前回の日記の続きです。

一昨年の10月にBS日テレで放送された、平安時代の
陰陽師・安倍晴明に関する番組がなかなか興味深いもの
だったので、ご紹介します。
 ※ 片岡愛之助の歴史捜査 (以下、番組のまとめです)


◆佛教大学教授で歴史学者の斎藤英喜さん・談

延喜8年(930)、御所の清涼殿に落雷し多くの死傷者が
でたときに、人々はこれを菅原道真の祟りととらえた。
現代科学なら雷は自然現象と考える。
しかし当時の人々は怨霊と考えた。

雷や地震などの天変地異は、当時の人々にとって原因の
わからない、ただ突然襲ってくる災い。
しかしこの災いを怨霊や鬼や呪いからくるものと考えた
とき、闇のものと戦う力を持ち、これらを払ってくれる
陰陽師が対抗できるものになる。
(原因がわかり対策ができると安心する)

安倍晴明が戦っていた敵。
それは当時の人々の心をむしばむ恐怖そのものだった。

あるとき京の都で天変地異が続いて多くの人が死んだ。
人々は怨霊のせいだと恐怖におののいた。
そこで晴明は、京都の赤山禅院にて陰陽道の神とされる
泰山府君の祈祷の儀式を行い、天変地異に苦しむ人々の
心を救った。

しかし、祈祷で天変地異は収まらないのに、なぜ人々の
心が救われたのか。

◆心理学者の金川英雄さん・談

人間は正体のわからないものに大変な不安をもち、その
原因を求めたがるもの。
そこで当時、原因不明だった天変地異を、当時の人々が
共有できる怨霊の仕業として、晴明は人々を救う儀式を
して恐怖心を取り除いていった。(人々の心を操った)
それは個人(天皇など身分の高い人)と集団に対する心理
カウンセラーの役割だった。

そして晴明は、人々の病とも戦った。
医学がない当時は病になっても原因がわからず、治療法も
なく、人々はただ死を待つのみだった。
そんな人々に晴明はヒーラー( healer :病を癒す人)の
役割もした。

例えば、村上天皇やある高僧が重い病になったとき。
病の原因を呪いや死霊として、晴明にしかできない祈祷や
秘術を使って病を回復させた。

◆佛教大学教授で医師の村岡 潔 さん・談

当時の人々に信頼されていた晴明なので呪術のプラセーボ
効果が高く、信仰が強いと特に効いた。
これは当時の人々の生き方に合っていた。

病や怪我で苦しむ人々は、なぜ自分がこんな目に遭うのか、
理由を知りたい気持ちがあった。
そこで病の原因が鬼や呪いや悪霊だと明らかにして患者の
心を安定させ、治療の効果を上げた。

(長くなったので、ここでいったん分けます)

  • DSC02194-2.jpg
晴明は「病は気から」をこの時代から実践していたのですね。
人心を読んで「救う」になって、「惑わす」にならなくて、
晴明さんもよかったと思います。





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Last updated  March 17, 2017 12:00:08 PM


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