カテゴリ:興味を持った話題
前回の日記の続きです。
一昨年の10月にBS日テレで放送された、平安時代の 陰陽師・安倍晴明に関する番組がなかなか興味深いもの だったので、ご紹介します。 ※ 片岡愛之助の歴史捜査 (以下、番組のまとめです) ◆佛教大学教授で歴史学者の斎藤英喜さん・談 延喜8年(930)、御所の清涼殿に落雷し多くの死傷者が でたときに、人々はこれを菅原道真の祟りととらえた。 現代科学なら雷は自然現象と考える。 しかし当時の人々は怨霊と考えた。 雷や地震などの天変地異は、当時の人々にとって原因の わからない、ただ突然襲ってくる災い。 しかしこの災いを怨霊や鬼や呪いからくるものと考えた とき、闇のものと戦う力を持ち、これらを払ってくれる 陰陽師が対抗できるものになる。 (原因がわかり対策ができると安心する) 安倍晴明が戦っていた敵。 それは当時の人々の心をむしばむ恐怖そのものだった。 あるとき京の都で天変地異が続いて多くの人が死んだ。 人々は怨霊のせいだと恐怖におののいた。 そこで晴明は、京都の赤山禅院にて陰陽道の神とされる 泰山府君の祈祷の儀式を行い、天変地異に苦しむ人々の 心を救った。 しかし、祈祷で天変地異は収まらないのに、なぜ人々の 心が救われたのか。 ◆心理学者の金川英雄さん・談 人間は正体のわからないものに大変な不安をもち、その 原因を求めたがるもの。 そこで当時、原因不明だった天変地異を、当時の人々が 共有できる怨霊の仕業として、晴明は人々を救う儀式を して恐怖心を取り除いていった。(人々の心を操った) それは個人(天皇など身分の高い人)と集団に対する心理 カウンセラーの役割だった。 そして晴明は、人々の病とも戦った。 医学がない当時は病になっても原因がわからず、治療法も なく、人々はただ死を待つのみだった。 そんな人々に晴明はヒーラー( healer :病を癒す人)の 役割もした。 例えば、村上天皇やある高僧が重い病になったとき。 病の原因を呪いや死霊として、晴明にしかできない祈祷や 秘術を使って病を回復させた。 ◆佛教大学教授で医師の村岡 潔 さん・談 当時の人々に信頼されていた晴明なので呪術のプラセーボ 効果が高く、信仰が強いと特に効いた。 これは当時の人々の生き方に合っていた。 病や怪我で苦しむ人々は、なぜ自分がこんな目に遭うのか、 理由を知りたい気持ちがあった。 そこで病の原因が鬼や呪いや悪霊だと明らかにして患者の 心を安定させ、治療の効果を上げた。 (長くなったので、ここでいったん分けます) 晴明は「病は気から」をこの時代から実践していたのですね。 人心を読んで「救う」になって、「惑わす」にならなくて、 晴明さんもよかったと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 17, 2017 12:00:08 PM
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