2/23 ベンダムスチン(トレアキシン®)療法 [外来導入の流れ]
外来導入の流れ 治療開始前に最低 2 回の受診日(①と②)を設ける。① ベンダムスチン治療確認を検討 ・治療開始日までに歯科受診を予約する・②の日に服薬指導を予約する・②の日には必ず家族に同席していただくようにお話しする⇒診察後、外来看護師に引き継ぎ。「ベンダムスチン予定の患者」と伝える。・看護師より ATC の説明書類を手渡しする。・看護師より血液担当薬剤師へ電話連絡を入れる。・必要と判断された場合には ATC 見学を調整する。(問題ないと思われる患者の ATC 見学は省略。治療開始日に ATC で説明する)② ベンダムスチン治療について同意取得 ・家族の同席のもと、IC を行い、同意書に署名していただく。・服薬指導を行う。・必要な患者には ATC 見学を行う。・治療オーダー、採血オーダーの確認(ATC 至急のチェック)、ATC の予約を行う。③ 治療開始・採血確認。診察。実施確定。・予防内服を処方する(薬剤部でもチェックしていただく)。療法を受ける患者様へベンダムスチン(トレアキシン®)療法は高額医療費の補助が対象になります。お住まいの市町村区役所で手続きを取った後に、医療費補助が受けられます。病院の領収書が必要になりますので、紛失されないように保管ください。注射料金の目安(身長と体重によっての薬剤量と料金が変わります。)・ 身長 165cm ・体重 65kgまでの方(1V のみ) 1 日5,9170円×2 日分=118,340円・ 身長 170cm・体重 65kg 以上の方(3V) 1 日86,880円×2 日分=173,760円・ (診察・採血料は別途です)・ ※月末と月始の治療になると高額医療が受けられなくなります。・ 治療スケジュールにご注意ください。参考:がん研有明病院 血液腫瘍外-----------参考:シンバイオ製薬株式会社ベンダムスチン:注射 シンバイオ製薬トレアキシン点滴静注用100mg TREAKISYM Injection 94995円/瓶トレアキシン点滴静注用25mg TREAKISYM Injection 29295円/瓶【トレアキシン®(一般名:ベンダムスチン)について】殺細胞性の抗腫瘍薬であり、1970 年代からドイツで使用が開始され、現在 50 ヵ国以上で低悪性度非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病などを適応として使用されています。ベンダムスチンは、アルキル化剤(注3)と代謝拮抗剤(注4)の両方の化学構造を併せ持つユニークな化合物であり、その作用機序はこれまで開発された他の抗腫瘍剤とは異なることから、固形がんの抗腫瘍剤耐性がん細胞に対しても有効性が期待されています。こうした可能性を探るため、海外ではこれまで固形がん患者さんを対象としたベンダムスチン注射剤の臨床試験が数多く実施され、乳がん、小細胞肺がん、軟部肉腫等で臨床効果が報告されています。また、多発性骨髄腫、低悪性度非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病を対象としたベンダムスチン経口剤の臨床試験も行われ、経口剤の安全性や忍容性につき良好な結果が得られています。2010 年 10 月に再発・難治性の低悪性度 B 細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を適応症として製造販売承認を取得した後、2016 年 8 月に慢性リンパ性白血病に対する効能追加の承認、2016 年 9 月に「トレアキシン ®点滴静注用 25 ㎎」の国内医薬品製造販売の承認、さらに 2016 年 12 月に低悪性度 B 細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫の未治療に対する効能追加の承認を取得しています。なおトレアキシン ®の販売は、2010 年 12 月よりエーザイ株式会社が行っています。 (注3) アルキル化剤:細胞傷害性抗がん剤の一種。DNA 塩基と共有結合できるアルキル基部位を複数持ち、2 本の DNA 鎖を結びつけることにより DNA の複製を妨げる。(注4) 代謝拮抗剤:細胞傷害性抗がん剤の一種。代謝の過程で生成する代謝物質の利用を阻害する物質で、DNA 生産を阻害し腫瘍細胞の成長と分裂を妨げる。