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テーマ:東日本大震災から5年(22)
カテゴリ:シチュエーション別ピアノ曲
今週11日には東日本大震災からはや5年のメモリアルデーですね。
ここしばらくテレビでは、特集などが組まれている。 被災地に知り合いもいない私はテレビの映像を見るしかないのだが、まだまだいつもの生活に戻るというレベルには程遠い厳しい現状のようだ。 つい先日見た映像では、巨大な壁のような防潮堤というのを特集していた。 意外だったのは防潮堤に関する地元の方々の反応だった。 あまりの高さに自宅から海が見えないのはやはり淋しいのだそうだ。 たぶんこれが5年の歳月というものなのだろう。 震災直後はあまりに生々しい記憶が蘇るため海への恐怖心を語っておられた方が多かった気がする。 自然というのは時に牙を剥いて人に襲い掛かるものだが、やはり多大な恩恵をあたえてくれるのかもしれない。 近代音楽・印象派の偉大な作曲家にドビュッシーがいる。 傑作の一つに前奏曲集がある。 その中に「鎮める寺」という曲がある。 ケルト伝説のイスという、海底に沈んでしまった町がある。 ある日の薄暗い朝、海原が盛り上がり、波間から寺院の尖塔が姿をあらわし、巨大なキリスト教の寺院並びに古い町が蜃気楼のように浮かび上がり、そして静かに消えていくという映像をピアノの音で再現したものであり、ドビュッシーの作品でも人気の高い曲です。 先の大震災では実際はすべてが瓦礫の山と化してしまったわけだが、被災地で生活されている方の心の中には、かつての美しく懐かしい街並みが刻み込まれているのだろうな。 そして巨大な防潮堤の向こうにある日イメージとして浮かび上がってくるのかもしれない。 youtubeでポリーニの演奏を聴いていたらそのような思いにとらわれてしまいました。 ー動画:マウリツィオ・ポリーニ演奏「沈める寺」(おまけ:西風のみたもの)― お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.03.07 23:56:34
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