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CNNテレビで、去る二月に行なわれたニューヨークフィル北朝鮮公演についての番組をやってました。(「北朝鮮からの手記/音符 Notes from North Korea」)
当時はニューヨークタイムズ紙などで何度も取り上げられて市民の間では話題になってたし、実際、知人が公演に同行してたこともあり自分としても興味を持っておりました。で、なんとなく忘れかけていた今、こうやって映像で見てみると、やっぱり歴史的にスンゴイ出来事だったことを再認識したわけで。 ロリン・マーゼル率いる280名もの音楽家や職員の愛と感動のウルルン滞在記、なはずはなく、こてこての政治ドキュメンタリー。 番組では、オケ団員のリサ・キムさん(韓国系アメリカ人)が複雑な心境を告白するとことか(「拉致されたらどうしよう」)、平壌空港の入国管理所で携帯電話を没収されるとことか、普通の演奏旅行では考えられない場面が織り込まれてます。 演奏会とは別に、レポーターが地方の核施設を訪問するとことかも見応えがありました。 でも、この番組を観たあとでも、僕らにとって北朝鮮はやっぱり未知の国、ますます不思議な国。 公演当日の平壌市内は、「NYフィルが街にやってくる」とばかり、通りには電灯がともり、歓迎体制が演出されたようですが、公演が終わりガイジンが街から消えた途端、外灯は再び消され、もとの暗い街に戻ってしまったらしい。 「もしかして、アメリカってそんなに悪い国じゃないのかも」。演奏会直後に現地の少女が語ってましたが、彼女は今でも「国に認められた音楽」しか聴くことができない。そして、国民は今日もまた「彼」に忠誠を誓い、「彼」のために歌うこと踊ることこそが文化/芸術であると信じており。 人間は環境が創るのであります。 自分がもし北朝鮮に生まれていたとして、ある日突然NYフィルがやってきて、「新世界」とか「パリのアメリカ人」とか演奏するのを見て、果たしてどう思うのか想像もできません。でも、アンコールで朝鮮民謡「アリラン」を弾かれた日にゃぁ、やっぱり感動するに違いなく。 なんかこのブログの趣旨から逸脱してしまいましたが(←趣旨なんてあったの?)、いつのまにかこんな大変な仕事やってのけてたとは、我らがNYフィル、お疲れさま。 ↑勝手に身内のつもり。最近は全然演奏会を聴きに行ってないので、プチ自戒の意味も込めつつ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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