カテゴリ:音楽(クラシック)
英語で何て言うの?シリーズ音楽用語編、最終回。
弓(ボウ bow) 弓先の部分をティップ tip って呼ぶのはいいとして、弓元のことはフロッグ frog(蛙)と言うのです。ドイツ語でもフロッシュ frosch? 厳密には弓の毛を収納する部分のことを指すようですが、元弓で弾く奏法を言うときも「フロッグで弾け」。 かかと heel という表現もアリかも。 それにしても、どうしてよりによって蛙なんでしょうか? 以下、僕の勝手な推測。 1.元弓で強引にこすって弾くとゲロゲロと蛙の鳴くような音がするから。 2.弓を持つ右手の指のカタチが蛙が座ってる姿のようにも見えるから。 3.円い留め金が蛙の目のように見えるから。 4.弓職人はフランス人が多く、フランス人はもともと「蛙」と蔑称で呼ばれてるから。 ……真相はいかに。 松ヤニ レジン resin(樹脂)と間違えやすいのですが、ロジン rosin が正しい。ロジンの原材料がレジン? ややこしー。 ラッパ 日本語でラッパと言ったときに、トランペットを指す場合と、トロンボーンほかの金管楽器をも含む場合もあると思うのですが、英語だとホーン horn がそれにあたるかも。 人によってはサックスも含めてホーンと呼んだりするし。 ちなみに日本語で言うところの(車の)クラクションも、英語だと「ホーンを鳴らす honk a horn」。 ホルンと明確に言いたいときはフレンチホーン。 ピアノの椅子 横に長くて、背もたれがないやつは、チェアというよりはむしろベンチと呼ばれます。 ぐるぐる廻して高さを調整する丸椅子(懐かしー)は、ストゥール stool と呼んだりもして。 トナリゼーション 弦楽器だけかもしれないけれど、トナリゼーションという言葉があったように思います。 僕はこれをてっきり、弦や指が「隣り」同士のときの半音や重音の感覚を耳や指で覚えこんでしまおうという、日本語の造語/シャレだと思い込んでました。横文字で tonalisation だったとわ。 セッコ 同様に日本語だとばかり思っていた表現。指揮の先生が「ここはセッコで」と言うたびに、個々の音を明確に切り離して(切個)弾くことだと思ってました。 イタリア語で「乾いた」という意味だったとわ(secco)。切個、無機的に弾くというのも、あながち間違いでもないけど。 そう言えば、辛口のイタリア白ワインをセッコって言う。ドルチェの対語。ドライ。 C、D、E(音名) 最後に音名。 ドレミは英語でC、D、E。ここ英語圏では、ツェーデーエーなどとゲルマンに発音してはいけません。 調弦するときにラの音をもらおうとして Can I have A(アー)? などと口走ってしまうと、「気取りやがって」と言われるのがオチ。 特に注意が必要なのはB。ベーはフラットのシ。ビーはナチュラルのシ。 実話。いつだったか、なんかのカルテットを練習してて冷や汗をかきました。 和音がすごくかっこよく決まるとこがあって、それがバイオリンを弾いてるパトリシア嬢の内声の♭ラの音によるものだと気づいた僕は、思わず彼女に向かって口走ったのであります。I like your As!(アス→ラのフラット) 周りのみんなが一瞬固まってしまってるのに気がつきました。(アス→お尻) 以上。Fine.(ファインじゃなくて) <英語でしゃべらNacht シリーズ、過去の日記> 音符編 作曲家編その1 作曲家編その2 曲名編 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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