ピカルディの三度。～T.H.の音楽日誌/映画日誌（米国発）

（先週の日記に続き、ジョギングねた。）

　しばらく旅に出るので、今慌てて荷物をまとめてます。最近は、仕事や遊びで外泊するときも、できるだけジョギング靴は持ち歩くように心がけてます。違う土地の朝日を浴びて走るのもまた一興なわけで。

　せっかくだし、ちゃんとした靴が欲しいのはやまやまだけれど、ま、何でもいっか、ととりあえずはぼろぼろの運動靴を履いて走ってます。

　服装にしてもしかり。僕ってば、いかにも今起床したばかり、といっただらしない風貌。穴のあいたＴシャツ、ぼさぼさの髪に無精ヒゲ、寝ぼけた顔つきで、足取りもおぼつかない。

　先日なんて、走ってる最中に、道の脇の茂みで眠ってたスカンク君をうっかり起こしてしまい、最悪でした。強烈な匂いを放たれて、その匂いが自分の身体じゅうに染み付いて、惨め。

　対照的に、いつも見かけるきれいなお姉さん、ジェニファーさん（仮名）。
　彼女も同じ時間にジョギングしてる人なのですが、いつもばっちり化粧してて、着てるものもブランドもの。上下ちゃんと色が揃ってるだけじゃなく、靴やアイポッドの色までも合わせちゃってます。いかにも「何ごともカタチからっ！」って感じのお方。
　素直に感心してしまいます。すごすぎジェニー。

　ただ、彼女みたいにアイポッドなどのイヤホンを身につけて走ってる人を見ると、素朴な疑問が沸いてきます。
　一体何を聞きながら走っているんでしょうか。ラジオのニュースとか落語とかを聞いてるのか、あるいはやっぱり音楽？

　音楽聴きながら走るのはけっこう難しいのです。ジョギングって、１、２、１、２、とリズムのある運動なわけだし、それに合わないリズムの音楽を聴きながら走るのはツラい。
　自分の走るリズムに合わせてきちんと選曲してるとか？

　そしてふと思うのです。彼らはわざとそうゆう訓練をしてるのではないかと。つまり、耳から入ってくるリズムとは全く違うリズムで走る練習。

　多声の絡み合うアンサンブルで演奏するときに、ほかのパートをちゃんと聞くのは基本ではあるけれど、ときにほかのパートをマル無視したほうがうまく音が揃うことがあります。

　もしかしてブラームス対策にも有効かもしれません。耳から三連符のリズムを聞きながら、足は八分音符で走る、みたいな。

　うーん、気になります。いつかジェニーを問い詰めてみたいです。