ピカルディの三度。～T.H.の音楽日誌/映画日誌（米国発）

　　 ボッケリーニのギター五重奏曲


　準備期間わずか五日という綱渡りではありましたが、室内楽の演奏会を主催、敢行してしまいました。会場を無償で提供してくれた教会の牧師さんや自ら残業して事務作業をこなしてくれた赤十字社支局長さんらには特に感謝してます。そして、演奏してくれた仲間たち。

　新聞やラジオを通じて大急ぎで宣伝したのが功を奏したのか、予想を上回るご来客が義援金を寄付してくださいました。

　演奏も運営も全て僕の交友範囲内で行なったし、時間も限られてたので、かなり手作り感あふれる稚拙な印象を残してしまったけれども、僕としてはどうしてもこの週末に実施しておきたかった。市民の皆さんも、生々しい映像を見てる今だからこそ、募金してくださったのだと思います。一ヶ月も二ヶ月もかけて周到に準備をして完ペキな演奏/運営を目指すこともできたし、現にそうゆう提案をしてくる友人も多かったのですが、最終的には彼らも折れて僕の強引な計画に賛同してくれました。

　僕自身が関わった演奏は、ピアノ三重奏団（共演は Pf ヘンリー、Vc エレン）で小品を五曲。エンタテイナー、ハンガリー舞曲６番、ジプシーロンド、ジュトゥブー、花のワルツ。
　あとはボッケリーニのギター五重奏曲（共演は Vn2 ジーン、Va エレン、Vc マルディ、Gt デイブ）を全楽章。

　僕は言いだしっぺ（主催者）なのでスピーチもしました。自分の祖国に対する思いとか僕自身の震災直後の心理状態とかを拙い英語でしゃべったのですが、聴衆のなかには涙を流して聞いてる人たちがいて胸が熱くなりました。

　実は今回の演奏会開催に当たり、ごく一部ですが周りの人から強烈なイヤミを言われたり、「お前が主催するのは痛々しい。無理すんな」というような否定的な発言も飛び出しましたが、東日本に住んでて不便な生活を送ってる人たちのことを思うと、そんなことで凹んでいてはいけません。とにかくやるしかなかったのです。　
　
　結果的には多くの義援金が集まったので良しとします。大至急日本に送金いたします。日本の皆さん、待っててくださいっ！