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「The Rain in Spain」(評価 ★★★☆☆ 三つ星) 知る人ぞ知る幻の映画「ドンキホーテを殺した男」(未完)の制作中止にいたるまでの顛末を描いたドキュメンタリー。 テリー・ギリアム監督らは、ジョニー・デップやジャン・ロシュフォールら大物俳優とスペインで撮影を開始するも、大雨に降られたり、騒音に悩まされたり、しまいには役者が病気になったりして、踏んだり蹴ったり。 (15年前の作品で、多くの時間と金が無駄になってしまった悲しいお話なのだけれど、今となってはなんか可笑しかったりもして。ギリアム氏ってば、てっきりこれに懲りて「ドン・キホーテを殺した男」の映画化を諦めたものかと思いきや、最近ついに再制作に乗り出してるらしい。) <感想>
ドキュメンタリーうんぬんというより、映画製作の舞台裏と見られるという点で既に興味深い。 確かに天災や不可抗力が理由なのであれば制作の中止は仕方ないけど、どっからどこまでを「不可抗力」と呼ぶのか、損失をめぐって出資者や保険会社とはどのようにやりとりすべきか、第三者的にはおもしろく観られた。 芸術作品って、映画に限らず必ず生みの苦しみを伴うもので、諸々の問題を片っ端から解決したうえで出来上がるものなわけだけれど、それにはヒト、モノ、カネが必要。芸術家であると同時に優れた商売人でなければいけない。 んでもって、しかしながら、やっぱし我々芸術鑑賞者は、最終的な作品が良ければそれで充分に満足すべきでもあって、よって製作過程のタイヘンさとか下手に力説されても、言い訳にしか聞こえず、かえってドン引きすることは多々ある。そのへん、さすがに難しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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