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2012.10.13
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帰りのミュンヘン発ドバイ行きの飛行機の中で、ふと思い立った。

この飛行機、大丈夫なのだろうか?

飛行機の機体に異常があるというわけではなく、飛行ルートが気になったのである。
それは、すでに時差ボケの前兆だったと思われる。(笑)


しかし、確かに行きはシリア上空を飛んだ。
まさか この飛行機、シリア軍によって撃ち落とされたりはしないよね?!(爆)

* * *


現在、緊迫を続けるシリア対トルコ。

そして、その緊張を一層高めたのが、10月3日のシリア側によるトルコへの越境砲撃であろう。

そのニュースを、私はドイツのアウグスブルクという街において、ほぼリアルタイムで知っていた。


ちょうどその時、トルコの現地ニュースを流す とあるトルコ料理店で、私は食事をとっていたからだ。
ムラトさんと彼の友人アランとの3人で。


トルコ側が直接流すその映像は、他の国を経由するよりも激しいものだ。

ムラトさんに限らず、レストラン内の大勢のトルコ人がテレビに釘づけであったことは言うまでもない。



と ここで、「え?ムラトさん?」と思われた方もいらっしゃるであろう。

実は、、、

ちょっとお恥ずかしい話、最後の最後で仲直りをして帰って来たのだ。(笑)


本当は、10月1日まで私は怒っていた。
彼に対し、訳もなく腹が立っていた。

ところがだ。

これもヨーロッパの甘~い空気のせいであろう。
長期で一人旅するには、ヨーロッパはあまりにも刺激的で淋し過ぎた。

そんな私の心の隙間に忍び込むように、ホーエンザルツブルク城塞は優しいまなざしで語りかけて来る。
「日本へ帰ってからだと、もう取り返しがつかないよ」と。


正直、ひとつだけ気になっていたことがあった。

それは、私にモスタルで捨てられた彼が殆ど無一文(無一セント?笑)であったこと。


9月半ばまでトルコに帰省していた彼は、私とザルツブルクで落ち合うため、残りの手持ちを全て叩いて駈けつけて来てくれたのだった。

ビザカードも手元にはなく、僅かな小銭もザルツブルクで姿を消し、
だからザルツブルクからサラエボまでの高速代などは全て私が負担した。

ちなみに、高速・ガソリン代とボスニア入国の際に掛かった費用の合計は150ユーロ弱、ホテル代80ユーロ弱。
全てといっても3万円にも満たないのだが。


あの後、彼はどうしたのだろう。
無事にドイツのアウグスブルクまで帰れたのだろうか?
モスタルからアウグスブルクまで、優に1200kmはあるだろう。

ボスニア・ヘルツェゴビナでは個人の車での入国の際、パスポートを取り上げられ、ムラトさんは別室へと呼ばれた。
出国時も難しいことになってやしないか?

それらが頭を巡る。

私は、本気で彼のことが心配になってきた。

652.JPG

そんな私を、オペラ『魔笛』の登場人物パパゲーノの像は呑気な顔で見下ろしていた。
像の前にあるベンチに腰を降ろし、私は彼にメールを送った。

「今、どこにいるの? 連絡ください。」


その後も何度か電話するも全て留守電になっており、

結局、私はアウグスブルクの彼のアパートまで訪ねることに決めたのである。


喧嘩の内容がどうのこうのではなく、あの捨て方はなかったよなと。

謝ろう。

682.JPG

10月3日。

その日は、22年前に東西ドイツが統一を果たした日で、ドイツ国内は祝日であった。

私はアウグスブルクに到着して早々、市庁舎前から電話をした。

「picchuko? 今、アウグスブルクのどこに居るんだ?」
はじめは怪訝そうな声で答えた彼だが、私がアウグスブルクに居ることを知ると声を和らげて聞いてきた。

私は彼も怒っていて当然だと思い、本当のところ、少し怖かった。
なので、思いがけない優しい声に、一瞬、ひるむ。


そして、知った。
彼はその前日に、スプリットから戻って来たばかりであったことを。

無一文の彼は、親友オザールに連絡をし、オザールから送られてくるお金をスプリットで待っていた。
モスタルからクロアチアへ出て、スプリットでガソリンがなくなったのだそうだ。
10日間以上、そこで足止めしていたという。

彼から逃れようとスプリットへ向かった私は、結局、彼と同じ町に居たことになる。


ごめん。 私は何度も謝った。

が、彼を気の毒に思う反面、ちょっぴり可笑しくなっていた。




あ、そうそう、話は大きく逸れてしまったが、

ミュンヘンからドバイへの飛行ルートは、トルコから直接イラクへと入り、シリア上空を飛ぶことはなかった。

744.JPG



Google map<2012.10.03 Salzburg - Augsburg>





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Last updated  2012.10.24 08:04:40
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