カテゴリ:旅行記 中欧8ヶ国 '12.9月
「君は僕の特別な友達だ!」
ザルツブルク滞在中、私は暇があれば(暇ばかりだったが・笑)イゴールに会いにレジデンツ広場へ行っていた。 イゴールは昨年10月に知りあった、モンテネグロ出身の絵描きである。 ドゥブロヴニクで絵を学び、ユーゴ紛争前にザルツブルクへと移り住んだ。 たぶん、彼はずっとここでザルツブルクの街並みを、そこで生きる人々を、行きずりの旅人達を見てきたのだろう。 常にビールをラッパ飲みしながらも、彼は愛情を持って人に街に声を掛けてきたのが分かる。 そんな彼だから、彼を慕う友人も多い。 彼と共に広場でいると、ひっきりなしに声を掛けてもらえるのもなんだか楽しい。 そして その度に、「彼女は僕の特別な友達だ」と一人一人に紹介してくれる。 「特別」と言われて嬉しくないはずがない。 私はいつも、そんな彼の隣りでニコニコしていた。(笑) 「君は特別だから、お別れにこの絵をプレゼントするよ。 知っての通り、モーツァルトの生家を描いたものだ。」 帰国の前日、彼はそう言って 両手で私の頬を挟み、鼻の頭にキスをした。 「ありがとう。ザルツブルクにはまた来るよ。」 絵を受け取った私は、大きく手を振りながらレジデンツ広場を立ち去った。 これで、手元にある彼の絵は二枚になった。 一枚目は、昨年10ユーロで買ったもの。 ミラベル庭園から見上げたホーエンザルツブルク城塞で、私の好きな構図である。 * 振り返ると、いつもどこでも笑顔があった。 その出会いの殆どが一期一会のものではあるが、ぬくもりは今も心に残っている。 全ての人に伝えたい「ありがとう」、どこかを巡って一人一人に届きますように。 では、とても優しい笑顔から始まった今回の旅、旅行記も心温まるこんな笑顔で〆たいと思う。 旅の総括は、改めて。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.11.29 20:15:55
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