I love Salzburg

2017/05/13(土)06:28

仕事のこと。

現在、私は認知症型デイサービスセンターに勤務している。 一日の定員10名、手厚い介護が売りの現場。 リハビリもなく今流行りの特色はこれといってないのだが、みんなが和気あいあいと笑顔で穏やかにその日を過ごせたらと、認知症型には認知症型なりの難しさと向き合いながらの毎日である。 そこで5ヶ月に一度、レクリェーションの順番が回ってくる。 前回は去年の12月だった。 月末は次月のカレンダー作り。 私は干支の酉をモチーフに、色紙やフェルトを使った作品にした。 あれは12月29日の夕方、塩田さんという男性をお家まで送った時のこと。 帰りの時間に合わせて奥さんが暖かくして待ってらしたお部屋に入ると、灯されたストーブの火とベッド脇に飾られた来月のカレンダーが目に留まった。 それは私が作った作品だった。 もう飾ってくれてるんだと、嬉しくなった。 塩田さんは12月から利用されたばかりの方で、デイサービスでの初めてのカレンダーがそれになる。 段々と表情も明るくなり、いい感じでデイサービスに溶け込んでいる。 「来年もどうぞ宜しくお願いします!」 次回の利用は1月2日。 塩田さんも奥さんも私も笑顔で挨拶をして別れた。 そして、明けて正月2日目。 朝の申し送りで、塩田さんが大晦日の朝に急逝されたことを知る。 言葉が出なかった。 今月も私のレク当番が回ってきた。 定番の誕生日カードとカレンダー作りを考える。 本を見て簡単そうな作品を選ぶこともできるのだが、私は創意工夫と手間隙かけて少しでも多く喜んでくれる作品に仕上げようと思っている。 もしかしたら最後の誕生日カードになるかもしれない。 最後の6月のカレンダーになるかもしれない。 そんなことを考えるのは寂しいし失礼になるかもしれないが、でも本当に最後になってしまうかもしれないのだから。 だからより一層心を込めて、丁寧に。 どうか明日も沢山の笑顔を引き出せますように。

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