|
カテゴリ:フランス時事
即日にこのニュースを発表できなかったのが残念です。
・・・PCが壊れてしまい、何とか復旧しました。 去る2月25日18時頃、ブルゴーニュはソリュ-の自宅自室にて、ベルナール・ロワゾー氏(52歳)が猟銃で撃たれて死亡しているところを家族が発見、その後自殺と断定されました。 ロワゾー夫人の話によると2週間以上も前から疲労を訴え、精神的にひどく落ち込んでいたとのこと。 フランス料理界では偉大なるシェフの一人、輝かしい生活を送っているはずのロワゾー氏に何が起こったのか、フランス中がショックを隠せないニュースでした。 ロワゾー氏は1968年から3年間トロワグロ氏のもとで修行し良い成績を収め、1975年には現在の自宅および所有レストラン・コート・ドールのあるブルゴーニュはソリュ-にオーナーシェフとして着任、 1991年にはレストラン・ガイドブック・ミシュランで最高の3つ星を獲得、以来めきめきと頭角をあらわし、テレビに雑誌にとマスコミを騒がす存在に、 ミッシェル・ゲラ-ルと共にクラシックなフランス料理に新風を吹き込んだともいえる人物。 1998年にはパリのレストラン3店舗のオーナーに、また高級ホテル・レストラン・チェーンのルレ・エ・シャトー・ドゥ・ソリュ-・グループの株53%を所有、3人の子供にも恵まれ、順風満帆と誰もが思っていました。 しかし饒舌で明朗、快活なしゃべり口でまわりを盛り立てていた裏では「常に一番でいるには・・・」、「常に大衆に気に入られ続けるには・・・」と頻繁に友人とにもらしていたといいます。 そんな中、株が低落、パリ所有レストラン3店舗の採算の悪さに追い討ちをかけるように2003年度ミシュラン発表が。 例年どおりソリュ-のレストラン、コート・ドールは3つ星を確保したものの、「3つ星であっていいのだろうか?」との批判が追加、ミシュランと並ぶレストランガイドであるゴー・ミョ-では20点万点中の19点を17点に格下げという結果に。 ロワゾー氏はマスコミに常に愛想良く、信頼しきってしまったゆえ、これらが真の友ではなく逆にナイフのように切り付ける存在でもありえることを知らなかったと指摘する友人もいます。 親友で先輩でもあるポール・ボキューズ氏は「われわれが彼を、偉大なるクオリティを持った男性を、繊細な傷つきやすい一人の男を殺したんだ。彼は自分自身を(批判から)守る術を知らなかった。私は80になっても生きている、術を知っているから」と語り、 全身黒のコック服でインタビューに応じたジョエル・ロブションは「明白でしょう、われわれは常に批判される側にいる、いわばマスコミに人質に取られているようなものだ」と語気強くコメント。 蒼白のロワゾー夫人は語ります。「寝る間を惜しんで働いて、働いて、働いて・・・落ち込んでも他人には見せない人だった。」 印象的だったのは死亡が発見された翌日の村でのインタビューでした。 何気なくマイクを向けられた若い男性はロワゾー氏の元で働く連休明けのウェイターでした。 突然の訃報に言葉にならず、口もきけず・・・。彼のような従業員はおよそ130人を数えます。 葬儀は28日金曜、ソリュ-にて。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.02.03 20:06:09
[フランス時事] カテゴリの最新記事
|