2009/04/15(水)18:31
翻訳夜話
久しぶりに「翻訳夜話」を読んでみました。
(以前の記事はこちら)
翻訳夜話
村上春樹・柴田元幸 著 文春文庫
以前読んだのは10月のはじめ。
トライアリストに入会したばかりの頃でした。
読む時期が変われば、印象に残ることも変わるものですね。
今回印象に残ったのは、村上春樹さん、柴田元幸さんはどちらも
翻訳という作業を「原文に含まれる情報を過不足なく日本語に移しかえる」
ということだと考えているということ。
辻谷先生の本かなにかに
「第一線で活躍している翻訳者の中には、意識しないまま
情報量理論を身につけている人も多い」
というかんじのことが書かれていたのですが、
「翻訳夜話」の著者のふたりも、そういう翻訳者なのかもしれない、と
思いました。
それで、村上春樹さんの訳書を読んでみたくなりました。
「この人、どんなふうに訳すんだろう」と思いまして。
今まで村上春樹さんの翻訳本は読んだことがなかったのですが、
この機会に読んでみようと思います。
勉強のためというよりも、たんなる興味ですが。
読んでみようと思うのは
心臓を貫かれて
マイケル・ギルモア 著 村上春樹 訳
この本は、今までに2,3回手に取ったことがあります。
でも、最初の数ページ以降を読み進めることができず、
読みたいなぁ、と思いながらまだ読んでいないのです。
なぜ数ページしか読めなかったのかというと、
内容があまりにつらすぎるから。
・・・数ページだけじゃ「内容」なんて言えないですね^^;
雰囲気、でしょうか。
わたしは本に影響を受けやすいのか、
読むとその内容を細部まですごくリアルに想像します。
ほかの人に訊いてみたことがないので、もしかしたら
みんなそうなのかもしれませんが
たとえば、登場人物の顔、声、髪の色や長さ、目の色、服装。
背景であれば窓の形、カーテンの色や形、階段の手すりの形や色、
じゅうたんがあるかないか、あるならその色。
庭があればその庭の形、どんな花がどんなふうに咲いているか、
噴水はあるのか、ベンチはあるのか、人はどれくらいいるのか、
庭を囲っている塀の材質は何か、どれくらい古びているか。
天気はどうなのか、太陽はどの位置にあるのか、
陽はどんなかんじに差し込んでいるのか・・・。
読むと同時に、頭の中では映画が流れているんです。
意識しなくても、どの本もそうなります。
まるで映画を観ているみたいに、まるで昨日のことを
思い出しているみたいに。
映画で観たのか、本を読んだのかわからなくなることも
よくあります。
それは読んでいてすごく楽しいことなのですが、
逆に作用してしまうと、困ったことになってしまいます。
内容があまりにグロテスクだったりつらいものだったりすると
吐き気がしたり息をするのが苦しくなったりしてしまうのです。
やすみやすみじゃないと読み進められなかったりとか。
そういう本に出会うことは滅多にないんですけどね^^;
「心臓を貫かれて」はそこまでひどくはないのですが、
先に読み進めることができませんでした。
でも、ずっと気になっていた本なので、
この機会に再挑戦してみようと思います!
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