万葉集1050_久迩京は京都府木津川市加茂町の布当の原にありました
次は第1050首です。田辺福麻呂が作った、久迩の新京(布当の宮)を讃美する歌です。「現つ神 我が大君の 天の下 八島の中に 国はしも 多くあれども 里はしも さはにあれども 山並の 宜しき国と 川なみの 立ち合ふ里と 山背の 鹿背山のまに 宮柱 太敷き奉り 高知らす 布当の宮は 川近み 瀬の音ぞ清き 山近み 鳥が音とよむ 秋されば 山もとどろき さ雄鹿は 妻呼びとよめ 春されば 岡辺もしじに 巌には 花咲きををり あなおもしろ 布当の原 あな貴 大宮所 うべしこそ 我が大君は 君ながら 聞かしたまひて さす竹の 大宮ここと 定めけらしも」 「久迩京」は京都府木津川市加茂町の木津川北岸の布当の野にありました。「山近み 鳥が音とよむ」は「山が近いので鳥の鳴き声が響く」の意です。