万雑046_志貴皇子の皇子女が作られた御歌(湯原王_4)
万雑046_志貴皇子の皇子女が作られた御歌(湯原王_4)引き続き湯原王で巻8の4首の御歌(秋の雑歌)です。湯原王の七夕を詠んだ御歌2首です。1544_「彦星の思ひますらむ心より見る我苦し夜のふけ行けば」※_「彦星が今いだいておられるだろう心より、下で見ている私の方が切ない。夜が更けて行くと」と歌っています。1545_「織女の袖つぐ夕の暁は川瀬の鶴は鳴かずともよし」※_「織女が夫と袖を連ねて寝る夜の明け方ばかりは、天の川の瀬にいる鶴も鳴かないでよろしい」と歌っています。湯原王のコオロギを詠んだ御歌です。1552_「夕月夜心もしのに白露の置くこの庭にこほろぎ鳴くも」※_「夕方の月が空に懸かり、心切なくなるぼどに、白露の置くこの庭にコオロギが鳴いている」と歌っています。湯原王が娘子に贈った御歌です。1618_「玉に貫き消たず賜らむ秋萩の末わわらはに置ける白露」※_「玉として緒に通し、消さないまま頂きましょう。秋萩の枝先の葉に置いている白露を」と歌っています。以上