カテゴリ:花だより
12月で花のない季節とはいえ、最近全くお花の話題に触れていませんでした。押し迫ってきた年の瀬、何を悠長な、って言われるかもしれませんが、今日は椿のお話などを。
この白い椿は11月に富士山本宮浅間大社に言った際、参道で気を引かれたいちりんです。その楚々とした佇まいに思わずシャッターを切っていました。 椿といえば思い出す句があります。 赤い椿 白い椿と 落ちにけり 河東碧梧桐の句です。なんと鮮やかな色を極めた句なのだろうと、感嘆した覚えがあります。確か中学の教科書に載っていました。冬のシーンと静まり帰った空間で何の前触れもなく赤い椿が落ちる。赤い残像という線を残して。そのあとすぐに白い線。なんと潔いそして印象に残る句なのでしょう。刹那的な美学とでもいうのでしょうか。散ることによって完成される圧倒的な緊迫感もあります。最初は「白い椿赤い椿と・・・」だったそうです。やはりのっけから赤ときたほうがインパクトが強いですね。散りゆく花さえ愛でている、またそんなふうにも感じられます。 四季折々の花鳥風雅に歌を詠んだ先人たちの感覚を呼び覚ます花ばな。今ここに在る私たちにも同じ感覚を与えてくれます。儚かな気でいるくせに宇宙を胎納している、そんな気がします。たかが花、されど花。
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Last updated
2009年12月31日 03時50分39秒
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