2546165 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

山田維史の遊卵画廊

山田維史の遊卵画廊

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Freepage List

☆Tadami Yamada's Paintings 新アダムとイヴの誕生


☆Tadami Yamada's Paintings 新アダムとイヴの誕生2


☆Tadami Yamada's Paintings 無量寿経シリーズ


☆Tadami Yamada's Paintings「私は美しい」シリーズ


☆Tadami Yamada's Paintings りんご充満空間シリーズ


☆Tadami Yamada's Paintings 花のマスクシリーズ


☆Tadami Yamada's Paintings 回 顧 展 part 1


☆Tadami Yamada's Paintings 回 顧 展 part 2


☆Tadami Yamada's DRAWINGS 1


☆Tadami Yamada's DRAWINGS 2


☆Tadami Yamada's DRAWINGS 3


☆Tadami Yamada's 小さな絵日記より


☆Tadami Yamada's Still Life:静物画(1)


☆Tadami Yamada's Japanese style:「和」


☆Tadami Yamada's 素描(1)野菜シリーズ


☆Tadami Yamada's 素描(2)貝殻シリーズ


☆Tadami Yamada's 素描(3)はんなりシリーズ


☆Tadami Yamada's 素描(4)人形シリーズ


☆Tadami Yamada's Paintings 回顧展Part3


☆Tadami Yamada's Paintings 回顧展Part4


☆ディクスン・カーの為のブックカヴァー


part 2  早川書房版


☆Tadami Yamada's Poetry 詩画集「遊卵飛行」


☆Tadami Yamada's Works: ブック・カヴァー選集


☆Tadami Yamada's イギリス・ミステリ傑作選カバー


☆Tadami Yamada's サンリオSF文庫他


☆Tadami Yamada's 光瀬龍、宇能鴻一郎、泡坂妻夫、志水辰夫他カバー


☆Tadami Yamada's ハヤカワ・ノヴェルズ、他


☆Tadami Yamada's 絵のない装丁


☆Tadami Yamada's ドラキュラ叢書


☆Tadami Yamada's Illusto., Part1『闇の国の子供』


☆Tadami Yamada's『妖怪博士ジョン・サイレンス』


☆Tadami Yamada's Part3『プラネタリウム』


☆Tadami Yamada's Part4『世の終わりのイヴ』


☆Tadami Yamada's Part5『洪水伝説』他


☆Tadami Yamada's Part6 児童書その他の挿画


☆Tadami Yamada's Part7 『心霊術入門』その他


☆Tadami Yamada's Part8『別冊宝島仕事の本』


☆Tadami Yamada's Part9 初期雑誌挿画


☆Tadami Yamada's ドラキュラ叢書『ジャンビー』挿画


☆Tadami Yamada's ドラキュラ叢書『幽霊狩人カーナッキ』


Tadami Yamada's monochrome cuts -#1


Tadami Yamada's monochrome cuts -#2


■Yamada's Article(1)卵形の象徴と図像


■Yamada's Article(2)ユングの風景画


■Yamada's Article(3)画家ムンクの去勢不安


■Yamada's Article(4)夢幻能と白山信仰


■Yamada's Article (5) 城と牢獄の論理構造


■Yamada's Article(6)ムンク『叫び』の設計と無意識


■Yamada's Article (7) 病める貝の真珠


■Yamada's English Article (8) 能の時空間の現代性


■Yamada's Article (9)『さゝめごと』に現われた十識について


■Yamada's Article(10)狐信仰とそのイコノグラフィー


■Yamada's Article (11) 江戸の「松風」私論


■Yamada's Article (12) 伊勢物語「梓弓」について


☆自画像日記


☆インタヴュー Vol.1


☆インタヴュー Vol.2


☆インタヴューVol.3


☆インタヴューVol.4


☆Tadami Yamada's Collage:日替りコラージュ


☆Tadami Yamada's Collage:日替りコラージュPart2


☆Tadami Yamada's Collage:日替りコラージュPart3


☆Tadami Yamada's Collage:日替りコラージュPart4


☆Tadami Yamada's Collage:日替りコラージュPart5


☆Tadami Yamada's Collage:日替りコラージュPart6


☆Tadami Yamada's Collage:日替りコラージュPart7


☆Tadami Yamada's Collage:日替りコラージュPart8


☆Tadami Yamada's Collage:日替りコラージュPart9


☆Tadami Yamada's Collage:日替りコラージュPart10


☆Tadami Yamada's Collage:日替りコラージュPart11


★山田芝恵書道展


☆ Tadami Yamada's short story


Death Mask


That Man


The Infancy Lover's Suicide


★Poetry of Tadami Yamada(1)


Poetry of Tadami Yamada(2)


Poetry of Tadami Yamada(3)


Poetry of Tadami Yamada(4)


Poetry of Tadami Yamada(5)


Poetry of Tadami Yamada(6)


Poetry of Tadami Yamada(7)


Tadami Yamada's HAIKU


Tadami Yamada's HAIKU (2)


★山田維史の画集・年鑑


Free Poster (無料ポスター)


Free Poster 2 (無料ポスター)


Free Poster 3 (無料ポスター)


ウクライナ連帯の無料ポスター(1)


ウクライナ連帯の無料ポスター(2)


ウクライナ連帯の無料ポスター(3)


戦争反対・表現の自由/無料ポスター(1)


戦争反対・表現の自由/無料ポスター(2)


ウクライナ連帯の無料ポスター(4)


共存は美しい


難民の日ポスター


パンを!


撃つな!


DON'T SHOOT !


This is the world


命の尊厳:Sanctity of Life


政治の腐敗


✴️Tadami Yamada’s Brief Personal Record


✴️ CONTACT ✴️


Archives

Oct 31, 2005
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
 私の家の左隣30mほどはなれて町のグラウンドがあった。野球があるたびに板塀を越してボールが飛んできた。軟球だったが、私はそういうボールを草むらから発見して、20個以上持っていた。私は野球が好きで、自分のユニフォームを持っていた。母の手製だった。ズボンの脇や半袖の上着の袖口や襟元に赤い細いラインが刺繍されていた。母がどこからみつけてきたのか、胸に竜のワッペンまでついていた。それを着て、子供用の赤バットをもって、周囲には同年輩の男の子の遊び相手はいなかったけれど、私は大得意だった。
 
 物のない時代だったので、私の洋服は洋裁学院に仕立ててもらっていた。そんな縁で、羽幌港祭りのとき羽幌映劇で開催された『ニューモード・ファッション・ショー』に出演を依頼されたこともある。女の子と手をつないで、「おーてて、つーないで」の曲にあわせてステージを歩き回った。楽屋でおとなの女性モデルたちがほとんど素裸で全身化粧しているのでびっくりしてしまった。私は彼女たちにモテモテだったのだ。ショーが終わってから写真館で写真を撮った。いまそれを見ると、ダブルのスーツを着ている。
 
 私はまだ学齢に達していなかったが、小学校のグラウンドの前はT字路になっていて、その近くに洋服店があった。ある日、母とその店に行くと、そこの息子が先日ギャザ鋏で指を切ったのだと聞かされた。店先の框(かまち)にそのギャザ鋏があった。刃が獣の牙のように禍々しく光っていた。私は、指がポロリところがっているような幻想にとらわれた。

 その洋服店の前を通って学校と反対側のつきあたりに製麺所があった。私の家から3町(約340m)ほど離れていたらしい。私はしばしば使いに出された。粉を持参すると饂飩をつくってくれた。それも戦後まもない時代のせいであったろう。製麺所とはいえ、粉の蓄えが十分あったわけではないのだ。店から奥の仕事場がわずかに見えた。仕切り戸のすぐ後ろに、機械から出てきた饂飩がカーテンの縁飾りのようにたれて、綺麗に干してあった。私はそれが面白かった。饂飩屋へのお使いが好きだったのだ。

 家の裏に独立して物置小屋があった。その横にかなり大きな(と、思っていたが、実際は1間半×1間くらいだった)鶏舎もあり、ひよこが数十羽いた。物置小屋は中にはいって引き戸を閉めるとほとんど真っ暗になった。明かり取りの窓がなく、わずかに板壁の隙間から外の光が洩れるだけであった。そこには壊れた防毒マスクやら日の丸が染め抜かれた兵帽などが、ごちゃごちゃと木箱に投込まれていた。私には宝物がつまった箱のようで、なかなかお気に入りだった。とりわけゴム製の防毒マスクに有頂天になった。目の部分がまるく刳り貫かれ、口は象の鼻のように長い筒が伸びてその先端に水筒のようなものがくっついていた。奇怪で、滑稽でもあるその形が私の気にいったのである。
 ある日、近所の女の子と一緒にいつものようにガラクタを引っぱり出して遊んでいた。そのうち女の子がパンツを脱いで床の上に坐り、脚を投げ出した。私はびっくりしたが、その内股やふっくりした陰部に触れてみた。私は女の子が自分と違っていることを不思議に思った。なんだか恥ずかしかった。誰にも言ってはいけないことのように思った。ただ一度の秘密の遊びである。
 





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Nov 2, 2005 12:48:19 AM
コメント(2) | コメントを書く


Comments

AZURE702@ Re:「比叡おろし」(汚れちっまた悲しみに)(08/21) 三角野郎(絵本「マンマルさん」)さんへ …
三角野郎(絵本「マンマルさん」)@ 「比叡おろし」(汚れちっまた悲しみに) ≪…【ヴィークル】…≫の用語が、[ 実務と…
山田維史@ Re:[言葉の量化]と[数の言葉の量化](08/21) ヒフミヨは天岩戸の祝詞かなさんへ 書き込…
ヒフミヨは天岩戸の祝詞かな@ [言葉の量化]と[数の言葉の量化] 「初めて語られた科学と生命と言語の秘密…
AZURE702@ Re[1]:映画脚本家の名誉のために(07/15) 赤坂ささんへ コメントありがとうござい…

Favorite Blog

スイフトの受け取り New! 釈迦楽さん


© Rakuten Group, Inc.
X