大きな災害が起っても、被災者救済に手を拱いているというのが、日本の国家行政のごく普通の姿だ。何もしない、頭をはたらかせてやるべきことを考えるということをしない。ポカーンとしている。新潟県中越沖地震の被災者は、もう17日間も、共同避難場所でこの暑さの中、国からの救済もないまま放っておかれているようだ。満足な食事もできず、今夜あたりからの台風通過中は炊き出しも中止されてパンと握り飯が配給されるのだという。
避難場所での暮しを少しでも楽にしてあげるような何等かの手当てをすることが、国としてそんなに難しいことなのか?
そんなこともできなくて、いったい何ができると言うんだ。国民を戦争に巻き込むような体制を準備しようとしている政府だが、どの面さげてそんなことを先導できるんだ?
なぜこの国の政府は、国民のために当り前のことができないのだろう。国民の財布に手をいれる政治家は、国務大臣はじめ、ひきもきらないのに。
こういう恥知らずな政府が累々とつづいていて、それが日本の文化意識となっているから、曲学阿世のくだらぬ精神論に彩られた、ひんまがった愛国心が大手を振るう。悪の円環だ。
国際的にはさまざまな困難に直面している人々を救済する援助をすることが必要なのは言うまでもない。しかし、このたびの地震被災のように、緊急に救済しなければならない国民を放っておくというのは、国政としては本末顛倒だろう。
われわれは、政治から根深い棄民思想を捨てなければならない。われわれすべての日本国民の、生きやすさのために。
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