東京は連日の猛暑、仕事場は冷房しているものの、老母も猫たちも冷房が嫌い。仕事場以外の他の部屋は、この世の地獄でござんす。母はもういいかげん血が冷えてきているから、地獄の暑さがちょうどいいらしい。猫達はさっさと何処かへ避暑に出かけて姿を見せない。庭の草むらの中に寝そべっているのか、屋根廂の風の通り道にでも横たわっているのだろう。
冷房が利いている仕事部屋で、さぞかし執筆がはかどっているかと云うと、それがちっともなんでござんすよ。いっこうに筆を執る気になれない。一層のこと休みにして、どこかへ遊びに行けばよさそうなものを、なにせ小心者でござんしてね、踏ん切りが付かないんでござんすよ。9月になったら老母もつれて、皆で一日何処かへドライブしようと云ってるんでござんすがね。と云うことは、そのときまであっしの仕事をおわらせなければならない訳。よわりやしたねー、気持が入らないってことは。
で、さきほどちょっくら自転車を引っ張り出して、気分転換のサイクリングをしたんでござんすよ。なんだか遠くで雷が鳴っておりやした。こりゃァ、ひと雨くるか、と思ったのもつかのま、でっかい粒のがザッと来たじゃござんせんか。「ひぇーッ」てなもんですが、何、これはあっしが子供みたいに面白がっている叫び声でござんしてね----
ザンブリ濡れながら、途中でついでの買い物などして帰宅したんでござんすよ。白いズボンを穿いていたんでござんすが、驚くじゃござんせんか、ここんとこ長い間一滴の雨もなかったからでござんしょうかねー、空気が埃で汚れきっていたんでござんしょう、ズボンが雨染みで濡れているのはいいが、その染みが薄墨を散らしたように黒ずんでいたのでござんす。あっしの白いズボンは灰色の水玉模様になってしまいやした。豹柄ルックというのはありやすが、年寄りの水玉ルックはどうもいけやせん。
先日も猛暑のなか、2時間ばかりのサイクリングに出かけたのでござんす。お茶のペットボトルを持って。だけど、なんでござんすね、水分補給をしていれば良いというもんじゃござんせんね。頭にキャップをかぶっていたんでござんすが、だんだんモーッとしてきて、熱が発散しないんでござんすよ。熱中症ってやつ、いや、それ寸前で家に帰り着いて、頭に水をかぶりやした。アブナイ、アブナイ。
家人には何食わぬ顔をしやしたが、だってあなた、何を云われるか分かりませんでしょ。
みなさんもご注意しておくんなさい。
てなわけで、雨に濡れ、水玉親父になるのは熱中症でポックリ逝くよりはましと云うもんでござんす。
ポックリ逝くと云えば、きょうは随分と蝉の死骸をみましたよ。道端に落ちてひっくりかえっているんでござんすよ。
蝉の命は7日とか云いやすが、精一杯鳴いて、交尾して、役目をおえたとばかりコロリと死んでゆく。それを儚いとみるか、いさぎよしと見るか。
あれはどうなんでしょうな、空中を飛んでいる最中に、急死して落下するんでござんしょうかね。蝉の死骸は見ても、死ぬところは見た事がござんせん。ちょいと興味がありますな。イメージがね、いろいろ湧いてくるんでござんすよ。哲学的な死でござんしょう?
ぬけ殻に並びて死ぬる秋の蝉 丈草
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Last updated
Aug 16, 2007 05:42:17 PM
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