朝、庭の野草をすこし間引いて他の植栽の幹元に風がはいるようにしたのだが、地面にやたらに柿が落下しているのに気がついた。1cmほどに結実したまま、落ちている。ざっと100個ほど。葉艶は良く、茂りもしっかりして、病気らしいところは見当らない。根元の草をわけてみると、幹から50~70cmの近辺にたくさんの「ひこばえ」が出ていた。おそらくこれに栄養を与えるために、実を落しているのではあるまいか。狭い庭に柿の木が何本も出て来てはかなわない。可哀想だが「ひこばえ」は切ることにした。
さまざまな野草や、野草同然になている本来園芸種の植物が、いりみだれている我家の庭。その草をかきわければ、苺がなっていたりする。また、スグリの実が色づきはじめている。スグリは長野や山梨の特産植物だそうだが、我家の庭にこうして生育している。グーズベリー(gooseberry)、いわゆる西洋スグリと間違われやすいが、じつはまったく別種の植物。スグリは「酸塊」と書き、すっぱい実というところから来ている名である。雑草然とした薮陰に、ちいさな葡萄状の房をした赤い半透明のビーズ玉のような実がのぞいている風情を、私は愛している。
我家の庭のスグリ