牡丹餅の甘さほどよき彼岸かな 青穹
夢さめて此岸彼岸を歩みけり
きょうは彼岸の入り。
牡丹餅(ぼたもち)をつくった。我家では「ぼた餅」とは言わず「おはぎ」という。「おはぎ」は「萩の餅」のことで、「きたまど」とも言う。要するに糯米(もちごめ)と粳米(うるちごめ)を半々に混ぜて炊き、すりつぶして丸め、餡や黄粉や胡麻をまぶしたもの。
「彼岸」の語源は、サンスクリット語の漢字表記「波羅密多(はらみた)」である。もっとも短い仏経典である『般若心経』の冒頭にでてくる。「観自在菩薩行深般若波羅密多時照見五薀皆空一切・・・」と。すなわち「自在に観想したまう菩薩が般若波羅密多の行を深くなさった時に、五薀(ごうん;現象界の色・受・想・行・識)は皆一切が空と悟り・・・」という意味であろう。
「彼岸」は俗世間的には「あの世(死後の世界)」とされているが、この解釈はむしろ日本的といってよいかもしれない。私はこのような二極化した世界観(宇宙観)は好むところではない。
波羅密多やああ波羅密多や波羅密多や 青穹
もちろん芭蕉の「松島や」のパロディである。
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Last updated
Mar 19, 2010 07:44:34 AM
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