本好きな人は、本が並んでいるだけで心がときめく。それが新刊本であろうと古書であろうとかまわない。そして、いかにも高価な古書を麗々しく飾りたてている古書店もいいが、雑然と天井にとどきそうなほど積み上げている店もいい。昔(たしか1978年)、SFマガジンで、石川喬司氏の『夢書房シリーズ:世界から言葉を引けば』の挿絵を描いたことがある。古本屋のおやじさんが、山と積まれた本の上から姿をのぞかせている、そんな絵だったと記憶している。この挿絵を描くときに私の想いのなかに浮かんでいた実在の古本屋のおやじさんがあった。私が学生時代にしばしば出かけていた中野ブロードウェーの奥、駅方向から左側にあった古書店である。もう50年近い昔のことで、現在その店があるかどうか・・・。まあ、「雑然と」と言ってよいような、うずたかく積んだ古本の山にかこまれて、おやじさんはぶっちょうづらをしながら店番をしていた。石川喬司氏の小説ゲラを読みながら、私はふとそのおやじさんを想いだしたのだった。
さて、うずたかくと言えば、インターネットの世界も膨大な画像・映像があふれかえっている。きょうはそこでみつけた「本のある光景」を10点ほど掲載してみよう。無断掲載である。さしつかえのある方はおしらせください。削除いたします。
まずは雑然と積み上げられた本の山。その渓谷の細道におりてゆきましょう。
秘密の隠し扉をあけると、そこは静寂につつまれた書庫。整然とした知の集積所。
いやさ、知の迷宮へのトンネル。
ジョン・ホプキンス大学のジョージ・ピーボディ図書館
アイルランド、ダブリン大学のトリニティー・カレッジ図書館。胸がふるえてくる。
![book5](https://image.space.rakuten.co.jp/lg01/56/0000100056/81/imge5599f3fzik7zj.jpeg)
オーストリア、メルク・ベネディクト大修道院図書館。
ウンベルト・エイコ『薔薇の名前』に登場する若い修道練士メルクのアドソは、メルク男爵の子息ということになっているが、その男爵領こそがこの図書館の所在地である。
![book7](https://image.space.rakuten.co.jp/lg01/56/0000100056/87/imgb1794098zik9zj.jpeg)
チェコ共和国、国立クレメンチナム図書館。ためいき、ためいき。
最後に、世界で最も美しい本屋さん。ポルトガルはポルト市のレッロ・アンド・イルマオ書店。
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