今日は市民ウォーキングに参加。八王子市高尾の梅郷をめぐる6kmのコース。高尾山麓にはいくつもの梅園があり、9日からは「梅まつり」も開催される。ウォーキングはそれより一足先に約2時間かけて巡るというもの。私が市民ウォーキングに参加するのは今回で3度目。朝8時、リュックに飲料水とクッキー等を入れて集合場所のJR高尾駅に向かった。
たぶん私は集合場所に早く到着したのだろう。普段から時計も携帯電話も持ち歩かないから、遅刻しなければ問題はないわけで、つぎつぎ到着する参加者がいつまでも出発しないので、私はひとりでさっさと歩きはじめた。うしろを振向いても誰もやって来ない。まあいいさ、と、15分も歩いたところで市の女性係員が立っていて「あら、お早いですね。まだ出発時間になっていないのですが・・・」と言った。「えっ? まだだったんですか。どうりで誰もやって来ないと思いました。それじゃぁ、ここで待っていましょうか」「いえいえ、どうぞ先に行ってください。途中にまた私のように案内人が立っておりますから」
というわけで、私は単独行。次の案内人には「第1号でーす!」と言われて、「せっかちで時間を待たずに出発してきました」と笑った。
高尾山麓の浅川に沿って、時に渓流となり、時に小滝となり、あるいはせせらぎとなるその音を聴きながら歩くが、肝心の梅はまだ開花前だ。甲州街道から逸れる遊歩道梅林でわずかに紅梅一本八分に咲き、白梅が一本ちらりほらりと笑み割れそめているばかり。その他の梅園はいずれもまだまだ蕾さえ固いままだ。
・・・それでも私は杉の林のなかの細道を楽しみ、杉の枯れ葉を踏み、緑のまま落ちている小枝を拾い、蛇瀧口の路傍に古い石碑をみつけてその碑文を筆写した。「是より蛇瀧まで八丁」とあり、筋彫りの三峰の山の中央に丸に「鏡」と彫って、その下方に「下谷 上行講」。碑の裏にまわって見ると「明治四十五年五月」とあった。
その石碑からしばらく行くと、丈高く太い杭に「蛇瀧水行場入口」とあった。古くから八王子の瀧行は有名で、彫り物の鯔背(いなせ)な男達が瀧に打たれる写真を見たことがある。私が所蔵する本にもそういう写真が載っていた。
旧甲州街道沿いの山際の林のなかにツリーハウスがあった。どうやら個人のもののようだが、下から見上げると随分立派な小屋だ。インターネットでは各国のツリーハウスの画像がたくさん掲載されているのに出会うが、実際に私が見るのは初めて。子供の頃の遊びを思い出した。あるいは映画『スタンド・バイ・ミー』や『グーニーズ』などを。
かくしてゴールに到着したのだが、前回のウォーキングで13km歩いているので、今日の6kmは少しものたりない。また途中で放り出されたような山中のゴール地点だったので、私は独りさらに小仏峠に向かって2kmほど歩くことにした。峠の手前に小仏と高尾駅とを結ぶバスの折り返し場がある。そこまで行って、バスで帰ってきた。