きょうは午後から地域のお年寄りの「手作り作品展」の飾り付けの手伝い。協賛出品ということで私の小品も4点持参。ところが、もっとたくさん見せてほしいというので、急遽、明朝、50号作品を10点展示することになった。そのために1室をあけるというのである。で、午後6時に帰宅して、大急ぎで作品を選定し例によって仕事場前の廊下に並べ重ねたところだ。
どうやら今日持参した作品を見たお年寄り(男性)に既視感(デジャ・ブ)を起こさせたらしく、少し興奮しておられるようだった。そのようなことは過去の展覧会でもあって、そのことについては過日、荒俣宏氏との対談で話したことがある。
私は何も言わずにお年寄りのことばを聞いていたが、たぶん私の作品が今後この方の経験のなかに存在しつづけるであろうと思うと、絵描きとしてはもう何も言うことはない。だから、もっとたくさん見せてほしいと言われて、ホイホイと承知したのだ。
ところで、このようなお年寄り達の展覧会(じつに様々な種類の作品が持ち寄られていた)は、町ができて以来初めてのことだとかで、みなさん、飾り付けをしながら生き生きしていられた。大勢に見せる機会もこれまでほとんど無く、独りで、あるいは小さなグループでこつこつと製作されてきたのだろう。「きょうからまたやるぞ、という気持ちになります」と言っていたが、正直な気持ちであろう。
接していておもしろかったのは、80歳にもなると、みなそれぞれある達観があるということ。それに、その場に生じるこまごました問題を、機転をきかしてさらりと処理してゆく智慧がそなわっているということ。私としてはおもしろい経験になりそうである。
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Last updated
Jun 29, 2013 07:08:58 PM
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