私のこのブログ日記では他国の議会や国会議員については、極力書かないことを方針にしている。しかし、今日ばかりはどうしても書き留めておきたいことがある。昨日の夜、朝日新聞が伝えたオーストラリアの右翼政党の党首の議場でのふるまいに対する司法長官のみごとな言葉についてである。
上院議員で右翼政党「ワンネーション」の党首が、イスラム教徒の女性の神聖なる服装ブルカを着込んで、議会に出席し、治安を理由に公共の場所でのブルカ着用を禁止しないかと提案した。テロの脅威とイスラム教徒のブルカを結びつけた意見だった。
この発言に対してブランディス司法長官は次のように言った。私の記述間違いを避けるため、朝日新聞の記述をそのまま引用させてもらう。
〈「禁止にはしない。あなたがイスラム教を信じていないことをここの全員が知っている。その中で、あなたはブルカをかぶってきた。信仰心を害する行為だ。豪州にいる50万人のイスラム教徒の圧倒的多数は、法を守るよき豪州人だ」と一蹴した。〉(朝日新聞DIGITAL;シドニー=小暮哲夫2017年8月17日19時01分)
私は、この圧倒的な強さを備えた知性的な言葉と、誰も予期しなかった事態に対処する人格の崇高なまでの高潔さに讃嘆した。深い教養をうかがえる、社会と人間についての洞察力。本当の学問を積んだ人(名ばかりの「学歴」ではないということ)に備わる、「意見の違い」などではない、ユマニティに基づく動じない姿勢。それがブランディス氏をして司法長官という立場に御身を置かせている。-----
私が、他国の司法長官の言葉を、ここに記すのは、無論、我国の国会議員を始め地方政治家も含めて、彼らには今のところまったく望むべくもない有様を嘆くからだ。いや、嘆きもしない。恐るべき事態を見詰めている。
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Last updated
Aug 18, 2017 07:52:00 PM
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