テーマ:海外生活(7779)
(初公開2017年11月―2020年6月―再編集2023年2月) 何気なく寄った小さな町のペンツリン 湖畔の港町からの続きで、ヴァーレンから戻る途中に、30分程離れたペンツリンと言う小さな町に寄ります。 目前に他の車が走ってない、こんな道が続いていると爽快な気分なのですよね。 あ、でもね、こんなところに制服のウィーン少年合唱団を乗せたバスが走ってたら景色なんかもう、そっちのけ間違いなし。 でも今はみんな演奏旅行では普段着なので出会ってもわからないんでしょうね。 あ~ぁ、制服の合唱団が乗っているバスに遭遇したいもんですね~、さぞテンション 上がるだろうな。 もっとも無視されるだろうけれど。 6月のライ麦の畑はすでに収穫を待っているようです。 麦畑には赤いケシの花と青い矢車菊はいつも、いつも一緒に咲いています。 なぜかスペインでも同じようにこの青と赤の花は一緒に咲いていました。 ペンツリンは2017年11月の結婚記念日旅行で帰り際に偶然寄った小さな町でした。 その時はまだここが魔女の町だとは知りませんでした。 何の知識も無く中央市場に立っているこの柱を見て、何だろうと一生懸命に観察しました。そもそも芸術作品は理解できないものが多く有り過ぎますよね。 6月に行った時に分かったのですが、魔女の井戸と言う、名前の割に水なんか全然滴っていない柱なのです。 これ、蛇口が付いていて、本来はそこから水が出ているはずなんですけれど。 実は3年後に訪れた時、私達はすでに此処に来ていたことをすっかり忘れていたのです。その時の事はなぜか記事に書かなかったので、今回は当時と今の写真を混ぜて載せることにします。 ペンツリンってかわいい名前だと思いませんか? でも、このペンツリンはその昔、女性にとっては恐怖の街でした。 11月、同じ広場にあるのはプロテスタントの古いマリーン教会。 素焼きの赤レンガで一つ一つ積み上げられて建てられている教会です。地震があったらいっぺんで崩れてしまうと思います。 近くには何やら古城があると言うので、興味本意に行ってみることにしましたが、適当に歩いてもこの雰囲気は悪くない。 古い石畳の道は何か懐かしい。 おや、外壁を改修しているお城の反対側に来てしまったようです。 あまり人に知られていない街ですが、こうして少しずつ手が加えられて行って、いつしか立派な観光地になっていくと良いです。 さて、今度こそは正門への道です。まず3年前の11月の写真。 そして3年過ぎた今回の6月の写真。 やっぱり冬枯れの11月より緑の季節の方が気分が盛り上がりますよね。 しかしペンツリン村―――あまり住みたいとは思えない街。 こんな辺鄙な何もないところまで訪ねて来てくれる友達いないよね。 古城へ近づくと木彫りの彫刻が沢山置いてあるのが気に掛かりました。 何じゃこれ。 木材腐食防止の塗料を塗装しないと猫ちゃんの耳の形が崩れるんじゃない❓ お~りゃ。3年経って、また来てみたら色が付いていました。猫ちゃんの耳も無事でした。魔女さん、若返ったんじゃない? 右向こうに見えるのが古城の正門です。 なになに、ペンツリン古城、はいはい。 えっ、メックレンブルグの魔法と魔女狩りの文化史博物館、だって。 うわっ、ここは魔女の拷問があったお城だったのですよ。 門の横にははたまた変な彫刻があるのです。 説明によると、魔女の世界に於いては、カラスは死を呼び、猫は魔女のペットで、ファイァサラマンダーは火を燃やし、カエルは目線で魔法に掛け、コウモリは吸血鬼に変身するんですってさ-------アホらし。 中世の人は本気で魔女なんかいると信じていたのでしょうね。 幼い子供のように、何とまぁ純真な民族だったのかしら。 11月に来た時は博物館も城の喫茶店も閉まっていました。 ここにはいろいろな判らないものを見つけましたが、魔女の魔術で変えられたものだそうです。 固まったねずみ達? これは? これならキツネだとはっきりわかります。 この写真にはカエルが手前にいます。 遠くに見えるのは中央広場のマリーン教会です。 6月の博物館は開いていて観光客もいましたが、マスクを付けて魔女の拷問部屋など見たくないので止めました。 そう言えば、お婆さんと一緒の小さな女の子が木陰で泣きじゃくっていたのでどうしたのかと思ったら、両親やお兄さんと一緒に博物館に入りたかったけれど、魔女が怖くて入れなかったのが悔しくて仕方なかったのですって。 それを聞いてプッ夫クンは大笑いをしたのです。 私はその女の子に言いました。 「このおじさんみたいに怖い事が無くなってしまうよりも、怖くて泣ける方がずっと素敵なんだよ。小さな子の怖い気持ちは自分を守るためなの。今怖くて魔女の部屋に行けなくても、大きくなって強くなったら、またここにきて今度はお友達と一緒に魔女を見たらいいでしょ。」 子供って素直でいいなぁ。 こんなだまし言葉ですっかり機嫌が直って、お婆さんも笑顔。 車に戻る途中にまだ修繕されていない家屋が有りました。 いやぁ、これがお隣さんだったらいたたまれないんだわ。でも空き家でしょうね。 考えてみてください。東ドイツ時代はこんな感じの家が並んでいたのですからね。 かと思うと、古くてもちゃんと手入れのしてあるところもあるし。 歩きながら目に付くのは魔女の動物たち。
魔女って言うから怖い姿を想い浮かべるだけだけれど、こんなかわいい魔女なら------ あら、よく見たらハイヒールなんて履いちゃって、のぞき込んだらおばさん魔女じゃないですか。 帰りはまたケシの花と矢車草の見納めです。 我が家ではエミリーが私達の帰りを待っていました。 そして、夕食はブロ友のtackさんから教えていただいた美味しいツナライス。 このツナライスには、彼女の元69年組の団員とのウィーンでのエピソードがあるのですよ。いつかそのお話も出てきますからお楽しみに。 この記事へのコメント maa 2020年07月05日 19:36 ponkoさま ドルマの味がどうしても想像できません。ワインでジャムのようにしたプラムは、ヨーグルトのトッピングにしたいです。コクのある味なのでしょうね。塩ゆでした葡萄を使うのがヨーロッパ的で憧れます。 魔女の博物館に入れなかった女の子は、恐いもの知らずのおじちゃんと、優しい東洋のおばちゃんに会ったことを、きっと大人になっても忘れないと思います。そんな素敵な言葉は、ponkoさんしか思いつかないですね。 ponko310 2020年07月05日 22:13 maaさん ドルマの味は単に美味しいのです。 乾燥プラムには酸味が有りますから、それをまろやかな赤ワインで煮ると豚肉料理に合いますよ。 ワインの葉には塩味が付いていますから、ナスとマッシュルームと玉ねぎの甘みが加わって美味しいドルマになりました。 古城の拷問部屋なんて思っただけで怖いでしょう。 困った顔のお婆ちゃんと泣いている小さな女の子を見たら、そのまま見過ごすことが出来ませんよ。 ほら、夜のベルベデーレの少年達を覚えていますか。 あんな感覚で思わず近寄ってしまった。 でも余計な事と思う人の方が多いかもしれません。 何だかいつかアッパーカットを喰らう事になるかもしれないですね。 nene 2020年07月06日 16:42 その小さな女の子の心をも動かすなんて。Ponkoさんの力は偉大だ!尊敬します。 ドルマー美味しそうですね。ワインブレター頂いたら是非チャレンジしてみたいです。実は主人の大好物なの。 ミューリッツ湖素敵ですね。フロリダの海にも入ったことがあるんですか?ヴァーレンの街もすごく素敵。魔女の街ペンツリンは11月の写真だからか寂しく感じますね。魔女の呪いにかけられてるのかしら。 ponko310 2020年07月06日 20:23 neneさん 美しいフロリダの海にも入って来たけれど、どうも近いミューリッツ湖の方が好きです。 ワインブレッターは今日も収穫がありました。 遊びに来た時にお分けしますよ。 ドイツがまだ夏の間にヴァーレンに是非行ってみて下さいな。 ついでに夏のペンツリンへ行って、魔女の呪いから解かれましょう。 女の子はたまたま素直な子だったのかもしれませんね。 もし、憎たらしいひねくれた子に当たったら、恐ろしい魔女の捨て台詞を吐いてしまうかも。 tack 2020年07月12日 00:42 ponkoさん 妹さんとはよくお喋りしているけど、ここにお邪魔するのは久しぶりなのでちょっぴりきんちょーしています。 今回は何気に重いテーマですね。最後の魔女狩りは18世紀にスイスで行われたらしいけど、いつの世も人々はスケープゴートが必要らしい。こんなことは今の世だから言えること。当時生まれていたら、自分はこのような集団ヒステリーには呑み込まれていなかったと言い切れない。 人間の持つ暗い部分を再認識しなければならなかった後はエミリーちゃん(この名前はどこから?)の何とも言えない愛嬌のある顔が救いです。 ところでところでponkoさんの魔法の手でツナライスは飛躍的な進歩を遂げていますね。この半月形の野菜はお大根でしょうか?それにしてもあの日にタイムトラベルできるならゲアハルトにもっとマシなご飯を食べてもらいたい。はあ... ponko310 2020年07月12日 18:20 tackさん 此処に来たら気分をほぐしてくださいな。 魔女の話はもうず~~~~っと昔の事だけど。 あんな時代に生まれていなくて良かったと心から思います。 集団ヒステリーって恐ろしいですよね。 間違った正義の妄想に捕らわれた人達の団体に巻き込まれたくはないです。 とっても気性が大人しくてお利口さんなエミリーにはいつも癒されています。 メス猫の名前はKatzenzüchterの登録順でEの頭文字を付けなくてはならないことからエミリーにしました。 67年組の団員達が全員、モデルのエミリーちゃんを好きになった事を思い出したからでもあるの。 もしRだったらリッキーにしていたわ。 でもリッキーだったらこんないい子には育たなかったかもしれないな。 ツナライスのレシピは有り難く応用させていただいています。 そう、あの半月型は大根です。 コンソメで煮て、バターで焼いてあります。 あの当時、ゲアハルトに作ってあげたツナライスはその時には出来る限りのご馳走だったのですよ。 今度また機会があったら、その時はまた違うものを作ってあげたらそれもきっと嬉しいですね。 あの日のツナライスは此処でも生き続けています。 💕 お詫び:コメントを入れる時、何度も数字の打ち直しを要求されるのですが、スパム予防の為だと思います。貴方の失敗ではないのでどうぞお気を悪くなさいませんように。それでもコメントをくださる方には心から感謝したします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[バルト海に面するメクレンブルク=フォァポンメルン州へ] カテゴリの最新記事
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