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神と人との違いについて、今日は申し伝えるなり。 神は人に、神の御霊(みたま)を分け与えし。 なれば、人は、神の分け御霊を授かりし、尊い存在のはずなり。 そも、この世の初めには、人は神から、多くの許しを得て、 神のことばを使い、神の力を使い、神の光を用いて、 所によらず、時によらず、何事をもなすこと可になるにより、 多くの健、和、富を与えられ、 そを持ちて、人はおのが幸せを手に入れし。
人が神に授かり、神にお借りし、神に許されし、数々の恵みが、 人から一つ一つ取り上げられし訳は、人の自我、人の我欲、 人の自己中心的観念が、人の内に芽生えてからなり。 神は、人に、数々の恵みを、人みなが幸福になるためにのみ、 分け与えられし。なれば、人が他のため、他の幸せのために、 それらのみ恵を用いず、己の欲望のみを充足させん、 人を支配させん、人を押しのけ、己のみが、他より多くのものを 独りの物にし、楽しみ、もちて遊び、己の欲望のみを満たさんと し始めし時より、神は、人から多くの力、能力、 才能などを取り上げ、人を一つの肉体のみと、ならしめたまう。 それゆえ、人は、欠けたる力を補わんと、心行、体行、霊行、 それらをもちて、己の汚(けが)れし魂を浄(きよ)め、高め、 元の力を神から許されるまでは、続けねばならずなりにし。
人が神に近づくというは、神が初め、元に与えし力を、 再び神から許され、再びそれら力を持つこと、 あたうような魂にまで、おのが魂を高めんことをいうなり。 なれば、人は、己の魂の浄まり、高まりに応じた心行、体行、 霊行を課され、そして、おのが魂の昇華(しょうげ)を 果たさねばならなくなりし。それは一(いつ)に、魂を元の高さまで、 元、神から分けられし魂の高さに戻すまで続く行なり。
神とて同じなり。 神もまた、人の汚れが浄められ、高められるまで、 そのお導きをお続けになり、人が元の姿、魂、心に変えるまでは、 人と共に行をせられるなり。神、人、共にあるなれば、 神のみが人に行を課し、おのが行はなしということはなかりければ、 人は、そをよくよく肝に銘じておきて、神に近づかんの努力精進、 怠らず続くべきなり。神は人をこよなく愛し、こよなく慈しむの 気持ちを持ちておられるれば、かつて人が神と共に在りしときの、 この世の美と、富、幸とを再び人と共に、楽しまんと望まれるなり。 なれば、人一人一人、心を入れ替え、神に帰依し、委ね、 ただ己の行を行じて、汚れ曇りを 祓い浄めねばならぬことなり。 神に伝えられし、ことばの一つ一つを、人の一人一人が、 それぞれに応じて理解し、肝に刻みて、おのが励みとすべきなり。 神は奥底から、魂の奥底から、絶えず呼びかけ教え導いておられる。
なれど、人に聞こえぬ声なれば、気付き悟る人間少なし。 それゆえ神は、人の肉身に聞こえぬ声を人に伝え知らしめるために、 宗教を作られ、宗教の祖たちに、神の教えを託せしなり。 それゆえ、人は宗教より、多くの知識、英知、この世で積むべき 人の行い、人の振る舞い、人の行について悟り気付くなるべきを、 曇らせ濁らせし魂によりて、聞けども聞こえず見れども見えず。 ただ、おのが我欲、利害損得のみを追い求むの性根変わらず。 人はおのが主なりて、神は隅に追いやられ、押しやられ、 おのが利益のみを優先し、おのが満足のみを求むなり。 なれど、その愚の積みし後に残るは、ただただ、腐れ、汚れの 積み上げし、おのが魂のみ。ますますの行を残し、 前にもまして、積まねばならぬ行に苦しむ哀れなる魂なり。 なればあの世に帰りて後に、おのが罪に苦しみ、心より悔いて、 魂を浄め、魂を高めんと、幾層倍の行を積まねばならぬことと なりゆく。神は人に、さなる苦しみを与えたくはなし。 人の一人一人が、自ら気付き、自ら悟るを待つのみ。
さなれば、人は、心開き、目を開け、耳傾け、おのが深き深奥に 眠らせし神を目覚めさせ、その声を聞き、その姿を見出し、 おのが導きを得らるるよう、心清らかに、素直に保ちて、 心からの祈りを捧げるべし。祈りは意乗り、すなわち、神の意に おのが意を添わせ、神の御心におのが心を近づけんがための、 魂から溢れ出づる神への願いを表すものなり。 神は祈りの声をもちて、人の魂の昇華を認め一段高き昇華を許さる。 神、清き祈りの声を聞き、その声をもちて、人一人一人の魂の 昇華の程を測り知られる。神に下座し、神に、おのが過ち、 おのが罪咎、先ずはお詫びし、許しを乞うべし。 そが行の始まり、根本なり。
罪咎(つみとが)なき人、一人もなし。生くれば、日々、 罪汚れを作りゆくなり。人を苦しめ、人をうらやみ、 人をおとしめ、人をあざむく。それが人の我欲、我執なり。 我欲、我執に使われし人は、いつまで経ちても、魂浄まらず。 魂汚し、魂曇らせ、魂濁らせ、汚れにまみれるに任せるなり。 神に下座し、これまでの罪咎、汚れ、曇り、迷妄の一つ一つを 詫び、悔い、おのが魂の浄めの許しを得んと、心よりの祈り、 心よりの感謝を神に捧げんと願うべきなり。 神が人に求める気持ち、強くば強きほど、人は神の御心に応えんと 精進努力、誠をもちて神に向かい、神の御心をわが心に受け入れ、 神の御心にまで高めゆかんと、日々行ぜよ。 行は行として、神に届き、そをもちて、神は魂の昇華を許さるる。 この世に囚われし心では、汚れ取れざるなり。 心高く、遠きあの世も見通す気持ちで、魂の永遠の行を捉え、 究めるべし。
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最終更新日
2016.08.06 08:12:58
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