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テーマ:911FANマガジン(444)
カテゴリ:964のこと
![]() 控え目な大きさの写真で登場しているオッチャンは、F.A.Porsche、フェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ、通称ブッツィ、つまり911の設計者である。 今、小生は、ポルシェを特集した月間penの59ページ、911を削り出しているブッツィの写真も見ているのだが、今まさに911が生まれようとしているこの写真も凄い。 1992年時点では既にポルシェ社を退いているものの、911の産みの親の威厳と自信に満ちたブッツィの顔は、他の誰よりも911のカタログの巻頭を飾るのに相応しい。 ちなみに997のカタログにヴィーデキング社長の写真が載っているかというと、どこにもない。 よくクルマの発表の時に、メーカーのトップがクルマの横にたたずんでいる姿が取り上げられるけれど、ヴィーデキングであろうとカルロス・ゴーンであろうと、あんまり感慨を覚えることがない。 あれは何のために撮るのだろう。大多数の人が「ちょっとどいてよ」と思っているのではないかな・・・ penの39ページに911とブッツィの小さな写真が載っているが、こんな写真だったら違うのかもしれないけどね。 ブッツィにより設計され、1964年から生産が開始されてからほとんど変わらないフォルムを持つ964。その裏には、外装のリファインまで手が回らなかったという?ポルシェ社の低迷の歴史があったにせよ、964を語るブッツィの語り口調は滑らかである。 「・・・たとえ時代が移り変わることがあっても、911はいつも技術革新の最先端を走っているのです。911の魅力あるフォルムは変わらずとも、実はその内部は目ざましく変化しているのです。・・・」 「・・・私達は大衆のためにポルシェを造って来たのではありません。自分の車を単なる輸送手段としてなく、楽しさを生み出すものだと考える数少ない洞察力のある人達のために造って来たのです。」 そこまで言い切ってしまうか・・・という気がしなくもないが、ブッツィがいなければ我々は911を楽しむことができなかったわけで、彼の言葉であれば、911乗りとしては大いに共感したい。 カタログの装丁そのものは一千万円を超える高級車のそれとは思えないほど簡素なものであるけれど、その内容は、1ページ目から見る人を911の世界に引きずり込んだに違いない。 それに比べて997の立派なカタログはというと・・・ 何かやたらと並べ立てられた言葉が上滑りしているような・・・ まあ、時代が移り変わって、クルマもカタログも移り変わったということでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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