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2007年04月30日
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カテゴリ:クラシック音楽
今日のクラシック音楽』  ベートーベン作曲 弦楽四重奏曲第15番イ短調 OP132

ハイドン、モーツアルトの室内楽作品が「サロン風」の域から抜けない音楽であったのが、ベートーベンによって「家庭」「サロン」から見事に抜け出して「劇場型」音楽へと変貌していったと断言してもいいくらいに、ベートーベン(1770-1827)が1798年から1800年までの2年間に書きました初期の6曲(作品18)は、優雅にアンサンブルを奏でたり聴いたりする音楽でなく、もっとインパクトの強い劇的要素を備えた音楽を発表しています。

1798年から始まった弦楽四重奏曲は30年以上も書き続けられて、1826年10月に最後の第16番で筆を折っています。 彼が亡くなる5ヶ月前のことです。

その最後の第16番の前の第15番が今日の話題曲です。

この曲は楽譜出版の都合で第15番となっていますが、実際には第12番の後に書かれた第13番と同時期に書き始められたそうです。

何故そうなったのか? 第12番の初演(1825年3月)のあと第13番と共に着手されたのですが、ベートーベンは腸の病に臥してしまい、途中で筆を折ってしまいました(第2楽章まで完成)。 しかし、その病も6月には癒えて快復に向かい、再び作曲にとりかかったのです。 この第15番の第3楽章の楽譜には添え書きがあり、「病癒えた者の神に対する聖なる感謝の歌」と書いてあるそうです。

第3楽章は「アダージョ」で書かれており、天国的な崇高な気分に満ちており、ベートーベンの神に対する感謝の表れとして、また精神的な充実が至高の極みに到達する最後期の名作となる音楽が流れています。 結局この第3楽章が全曲の中核を成している音楽となっています。

曲は5楽章形式で書かれており、深い精神性をたたえた音楽となって、弦楽四重奏曲としては後の作曲家にも大きな影響を与えている作品です。 前述のように、第3楽章「アダージョ」は崇高な美しさに満ちた音楽で、この曲の白眉と呼んでも過言ではないでしょう。

第5楽章「アレグロ・アパッショナート」は、雄渾なスケールと情熱とが混ざり合って、ベートーベンの「喜び」が爆発しているかのようなフィナーレを飾っています。 ここに「自由精神」の世界が力強く開けているかのような音楽が展開しています。

この弦楽四重奏曲第15番は1825年の今日(11月7日)、初演されています。

愛聴盤

1. アルバン・ベルグ弦楽四重奏団(8枚組)

5736062  1978年ー83年録音 11/07
(EMIレーベル 5736062 1978年ー1983年録音 海外盤)

完璧とも言える見事なアンサンブルには驚かされる、まるでスイス時計のような精緻な表現を聴かせてくれる演奏です。

アルバン・ベルグ


2. ズスケ弦楽四重奏団 後期弦楽四重奏曲集(3枚組)

BC91632 11/07
(ドイツ・シャルプラッテン原盤 Berlin Classics BC91632 1975年ー1980年録音 海外盤)

「純ドイツ風」演奏の模範のような響きで堅牢・堅固なアンサンブルで、アルバン・ベルグの現代風な知的なアプローチと違った「田舎」を感じる演奏で、ベートーベンが田舎を散策しているような趣きを感じます。 これはアルバン・ベルグの演奏を聴いて感じる素朴さです。

ズスケ


3. ウイーン・ムジークフェライン弦楽四重奏団(8枚組)

タワーレコード オリジナル DB1001-1008 1998年ー2000年録音 11/07
(タワーレコード オリジナル DB1001-1008 1998年-2000年録音 国内盤)

所謂「ウイーン風」という趣きを感じさせる、実に柔らかさと温かみを感じさせるアンサンブルで、上記の2つの団体の演奏を聴いたあとではまるで癒されるような音の空間に誘ってくれる、録音も素晴らしい最新録音盤で、8枚組6,000円は破格の廉価盤です。

ウイーン

紹介盤は2を除いてベートーベンの弦楽四重奏曲全集です。2と3はセット物ですが、アルバン・ベルグは単売もあります。

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今日の音楽カレンダー

1870年 誕生 フランツ・レハール(作曲家)
1902年 初演 ドビッシー オペラ「ペレアスとメリザンド」

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ともの『今日の一花』       オオデマリ


4/30撮影地 大阪府和泉市

すいかずら科 ガマズミ属

開花時期 4月半ば~5月下旬
紫陽花を白くしたような花ですが、紫陽花よりはひとまわり小さい。





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最終更新日  2007年04月30日 09時11分39秒
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