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August 11, 2016
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AM7:40

緩やかな峠を越えようかというとき、
緑の中にそれは現れた。

錆びたオレンジの鉄板でできた建物。
ワイヤー。車輪。
これはリフト設備である。

基礎がコンクリートで、そのうえに
貨車のような動力室が載っている。
この構造のリフトは、ボクが知る限り
数十年前、昭和50年代のスキー場にあったタイプだ。

茶色に錆びたワイヤーは張った状態。
切れていないのに驚き。
コンクリート基台部分も健全に見えるのに驚き。
ただ、搬器はなかったし、
周りに緑が迫ってきていて
独特のオーラを出している。

いったい何年前に放置されたものだろう。
あとで調べたところでは、
この林道の先に今は営業していない
山荘があるらしい。

いまでこそ秘境巡りがメジャーな趣味に
なったけれど、昭和の時代には地方の宿は
普通に秘境的であった。
ここも、そういうところだったのだろうか。

なぜ山荘がこのリフトを設置したのか?
おそらくこういう経緯だろう。

昔ここに小さなスキー場があって、
その頂上に山荘もあった。
やがてスキー場が廃業して放棄された。
ゲレンデは緑に浸食し返され、跡形もなくなった。
リフトは廃墟として緑のなかに残った。
一方で頂上までの林道が整備され、
スキー場という主を失った山荘は
単体で営業を続けたが、
それもやがて廃業した。
それで林道入り口も荒れ、林道があったことさえ
わからないほど。
見えるのは廃墟リフトだけ。

なぜここにこんなものが?
と廃墟は見る者をドキッとさせる。
人間が根源的に怖れる、破滅への予感なのだろうか。
異質なものを遠ざけようとする本能なのだろうか。










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最終更新日  August 11, 2016 10:57:14 PM
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