ずっと手元に置いておきたい本
どうしても増えていってしまう本。限られたスペースで生活している以上、年に何度かは整理が必要になってきます。泣く泣く処分せざるをえませんが、そんな中で一生手元に置いておきたい本!が何冊かあります。その一冊が『リトル・トリー』(The Education of Little Tree)/フォレスト・カーター著この本は白人がインディアンの生活を脅かしていた頃、自分たちの生活様式を守るために山に逃れたインディアンの祖父母に育てられたリトル・トリーと呼ばれる少年のお話です。環境、人種差別、家族の絆、人間関係などについて深い関心を寄せて書かれています。私が初めてこの本を読んだとき、深く静かな感動で涙が止まりませんでした。自然の中の声が聞こえ、目の前に広がる描写に感銘を受けたのは勿論のこと、私を育ててくれた祖父母を重ね合わせ、その愛情に感謝しました。裏表紙を開くと1994年に買って読んだという印が実はこの本、刊行されてからいろいろな論議を呼んだそうです。著者であるフォレスト・カーター氏の自叙伝とされていたのですが、彼はチェロキーでもインディアンでもない、とか、本当のネイティブ・アメリカンにとってこの本は全くの偽書だとか・・・でも私はそういったことはあまり気にしません。私が感動したのは事実ですから。「なにかいいものを見つけたとき、まずしなくちゃならないのはね、それをだれでもいいから、出会った人に分けてあげて、いっしょに喜ぶことなの。そうすれば、いいものはどこまでも広がっていく。それが正しい行ないってものなんだ」 ---祖母の言葉「だれでも二つの心を持っているんだよ。ひとつの心はね、からだの心(ボディー・マインド)つまりからだがちゃんと生き続けるようにって、働く心なの・・・でもね、人間はもうひとつ心を持っているんだ。からだを守ろうとする心とは全然別のものなの。それは、霊の心(スピリット・マインド)なの・・・霊の心ってものはね、ちょうど筋肉みたいで、使えば使うほど大きく強くなってゆくんだ。どうやって使うかというと、ものごとをきちんと理解するのにつかうのよ。それしかないの・・・理解というのは愛と同じものなの。でもね、かんちがいする人がよくいるんだ。理解してもいないくせに愛してるふりをする。それじゃなんにもならない。」---祖母の言葉今では私の育児指南書になっています