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カテゴリ:下町の話
昨日に引き続き、今日もちょっと「怖い」関係の話^^
私は基本的に幽霊とかの「心霊現象」を信じていない。霊感も全くない。「私は霊感が強いんです」とか平気でいう人間もまったく信用しない。この世に霊的現象と言うのは全くないと思っている。 私自身そんな経験をしたことはない。実は一度だけあるのだがその話は気が向いたら書くことにする。やはり心霊現象などないと思っている。 というか、そんなのが本当にあれば、墓地だらけの町である「谷中」なんかで冷静に住み暮らすことはできない。大学生時代には、コンパで飲みつぶれ、やっとのことでJR日暮里駅までたどり着いたものの、そこから自宅まで戻ることができず、仕方なく谷中霊園の中の公園のベンチで一晩熟睡したことが数度ある(笑)心霊現象を信じていないからできる芸当だ^^ そんな私が、一度本当に夜の谷中霊園で“びびった”体験をしたことがある。今日はその話。 あれは多分高校1年か2年の秋の話。 私が通学していた高校は、秋にマラソン大会があったのだ。当時の私はバイクとファッションにうつつを抜かす軟派な高校生だったので、当然のことながらマラソンなんかは苦手だった。 とは言ってもあまりにも大会で酷い結果を出すのも嫌だったので、マラソン大会1ヶ月前くらいから軽いジョギングをすることにしたのだ。もっとも朝のジョギングは軟派高校生にとってはつらいので、当然ながら夜にジョギングすることにしたのだ。 実家は上野公園のすぐ近くなので、ジョギングの場所は上野公園になる。噴水のまわりをまわったり、国立博物館の裏の道を走ったり、コースのバリエーションもいろいろある。 ある夜のこと。その日は強い雨だった。さすがにそんな夜にジョギングするほど酔狂な男ではない。今日はやめようと思っていたら急に小降りになってきた。 折角だから軽く走ってこようかなと思い、支度を整え、上野公園に向かって走り出した。霧雨の中、上野公園を走るのもなかなか気持ちよい。ただ、いつまた本降りになるかもしれないので、あまり自宅から遠く離れた場所までは行けない。噴水のまわりを2周ほどして、自宅近くに引き上げてきた。 しかしさすがにそれでは走り足りない。霧雨に打たれて走る気持ちよさに少しランナーズハイになったのか、折角だから谷中霊園内にある舗装道路の周遊コースを走ってみようかなと思いたったのだ。 上野公園から引き返し、そのまま自宅前をスルーして谷中霊園に向かった。時間は22時くらい。 上野公園内は夜でもそこそこ明るいし人も結構いる。なので夜に走っていても安心なのだ。 ところが谷中霊園の夜は暗い。地元住民が生活道路としている場所なので、昼は人通りは多いが、さすがに夜は少ない。まあ当然だろうなあ。 そんな中、少し気分がハイになった状態で谷中霊園奥地に向かって走り出した。 「霧雨の中、こんな暗い墓地を走るのも楽しいなあ」なんて思いながら走っていた。上野公園を走るのとは違った楽しさを感じ始めていた。 そして最奥まで到達し、今度は出口に向かって走り出した。するとこれから向かう先の方角から突然、闇を切り裂くような声が聞こえてきたのだ。 「きえ~・・・・・!」 びっくりし、その場で一旦立ち止まり、「なんだ、今の声は」と思って様子を探る。 すると、再び 「きえ~・・!」 叫び声が「きゃ~」だったら、なんか事件でもあったのかなと思うのだが「きえ~・・!」である。怖い。 幽霊や物の怪の類なのか、それとも変質者なのか、どっちにしても怖い。 しかしすでに最奥まで進み、これから出口に向かう途中だったので、引き返すわけにはいかない。そのまま進むしかないのだ。 なので霧雨のなか、「嫌だな~、幽霊だったら怖いなあ」とか「でも変質者よりも幽霊のほうがましかな」とか思いながらだんだん声が聞こえてきた現場まで近づいてきた。 「嫌だなあ、怖いなあ」と思いながら走っていると、暗い道の前方になにやら2つの人影らしきものが。 「うわ~、マジか~」と思いながらもまっすぐに進むしかないのでそこに近づいていった。もう鼓動はドキドキである。 そしてその場所にくると・・・ なんと霧雨のなか、父親とその娘らしき2人が剣道の稽古をしていたのだ(笑) 「なんで霧雨の降る夜中にこんな墓地のなかで剣道の稽古をしてるんだ!人騒がせな!」と思ったのだが、正直ほっとした記憶がある^^ でもこれは怖かったなあ~。今までで一番びびった経験である。 というわけで、剣道愛好者のみなさん、夜に墓地で稽古をするのは止めましょう^^ 谷中霊園の怖い(笑)話でした^^ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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