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March 19, 2004
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(続き)

そして昨日、ついに「Invest Japan!」を目撃したのである。

これは、海自の「Seamanship」を見た時とは比べ物にならないほどの衝撃であり
職業意識による義務感故に2回までは録画を見たが、3度目はどうしても耐えられなかった。

まず、あまりにも構成・脚本・演出がダサい。冒頭の
「どこに投資するのがいいかな」「Japan!!」
というくだりは、まるで学芸会ばりの不自然さでいきなりぞっとさせられるし、
その後、CITI Groupの重役やカルロス・ゴーンも登場するが
語っている内容にも力がないし、何より彼らに表情がない。
カルロス・ゴーンの講演を拝見したことがあるが、もっとエネルギッシュにしゃべる人だった。
彼らが自分たちのビジネスの中でそんな表情で働いているとはとても思えない。
表情で物を語る文化の人々にとっては、表情がない、あるいは表情に力がないのは気味が悪いのである。

映像の終盤で小泉首相のカットが何コマも続いた後メッセージを話すのだが、
その時のジェスチャーがこれまた不自然。
日本人のジェスチャーではないから板につかないし、まして欧米人のジェスチャーでもない。
演出者が(もしくは本人が)欧米人のジェスチャーについて大変な誤解をしているように思える。

また、1分という、TV広告としては長い枠を埋めるためか、
各シーンをつなぐ間合い、人がしゃべる時、しゃべった後の間合いが日本人にも奇妙なほど長い。
ポージングタイムが日本人よりはるかに短いアメリカ人や一部ヨーロッパ人には、
居心地が悪いに違いない間合いである。

次に、デザインがなぜかダサい(デザイナーさんごめんなさい)。
映像にかぶせて「世界第二位のGNP」とか「1,400兆円の個人金融資産」といった文字がデカデカ流れるのだが
そのタイポグラフィ(文字の書体や配置デザイン)がびっくりするほど格好悪い。
日本で仕事をしている時に、素晴らしいタイポグラフィのセンスを持たれたデザイナーさんと
何人もお仕事させていただいた。
みなさん熱心に勉強されていたし、漢字でも平仮名でもアルファベットでも、
その訴求内容や構成、全体のデザインに合わせてすばらしい文字を組んでおられたものだ。
それに比べて、これは一体どうしたことなのだろう。

そして内容である。
携帯電話、アシモ、工場のライン、国際会合で欧米人(白人)と握手している日本人・・・
官庁がこれが日本のウリだと思っているシーンのリストは、
私が仕事をしていた3年前とまったく変わりばえがない。
しかし、これらは本当に今の日本の実力をアピールするものなのだろうか。

日本の携帯電話は確かに進んでいるし素晴らしいけれど、
最近は韓国のほうがもっと早いスピードで前を走っている印象があるし
アメリカの携帯電話マーケットも急速に成熟してきて、機種も増えたし遅ればせながら進化もした。
そもそも、日本人ほど“小さくて高機能なもの”に関心がない一般のアメリカ人は
日本の最新型の携帯にもそこまで感動しないようだ。

アシモだって、相変わらず“すごいもの”には変わりがないけれど、
まるでアメリカの国産メーカーのように高い認知度と消費者の支持を持つHonda.U.S.A.が
アシモを使った大変良くできた企業イメージ広告を最近アメリカで流しているのである。
それを今さら「もともと日本のものだ」と言われても「あ、そう」ってな感じである。

「Made in Japan」の製品が高性能なことはアメリカでも充分に知れ渡っていることだから、
さらに念押しされても、とも思うし、国際会合で欧米人(白人)と握手している日本人も、
握手しているシーンには訴求力があるかもしれないが、あまりにもありきたりで人工的だ。

いい点をあえて探せば、メッセージははっきりしている。「投資してくれ」と言っていることはよくわかる。
しかしそのメッセージが、この表現方法でメッセージのターゲット視聴者に受け入れられるかどうかと言うと、
私の意見はNoだ。

「Invest Japan!」は、できればこれ以上放映してほしくないとすら思う。
これを見終わった時には、海自の「Seamanship」も「Time Warp TOKYO」も「Yokoso Japan」も
はるかにましな出来あがりの広告に思えたほどだ。
これをヨーロッパでも流しているそうだが、空恐ろしいことだ。



「Tokyo Time Warp」「Yokoso Japan」「Invest Japan!」に共通するのは
日本人の感覚で制作したものをそのまま海外へ持ち出したことに起因する
奇妙感、居心地の悪さではないだろうか。

「Tokyo Time Warp」はきれいにまとめられているにも拘らず
それぞれの映像が訴えかけてこず、キーメッセージが掴めない。
東京についてすでに多くのイメージを持っている日本人向けになら
それでも良かったのだが、この広告が流れるのはアメリカである。
確かに日本通も多いし、東京を知っている人も少なからずいるし、東京都のこのキャンペーンは
シティセールスミッションという活動の一環で、アメリカ西海岸中心のようだから、
すでに東京を知っている人を対象にしたリピーター獲得促進と受け取れなくもないが、
たとえそうだとしても、日本人ではない人に対して、この広告から
言いたい事をわかってくれというのは不親切なメッセージの投げ方ではないだろうか。
「行間を読む」「察する」のは日本人の文化であって、他の民族の人々に期待すべきことではない。

その点で「Yokoso Japan」はメッセージが明確で、見ていて何が言いたいのか、
が無理なく、気持ち悪くなく理解できる。
ただし、繰り返しになるが、ここに小泉首相が出てくる必要があったのか、私には疑問だ。
「Yokoso Japan」キャンペーンのホームページには、
“内閣総理大臣自らが映像に登場して訪日促進をPRするのは、これが初めてです。” 
と書いてあった。まさか…と英語版を確認したら、やはり
“This is the first time that a Japanese Prime Minister has appeared on screen to promote travel to Japan.”
と書いてある。
ここには大きな勘違いがないだろうか。

日本人にとって小泉さんは誰でも知っている有名人、歴代首相の中でも一般的な人気の高い首相、
いわばセレブリティなのかもしれない。
しかし、アメリカ人にとって、海外の人にとって、つまりこの広告のターゲットである一般視聴者にとって
彼は「知らない人」なのだ。

しかも、日本は権威に対して敬意を払い、階級構造(Hierarchy)を受け入れることによって
社会もコミュニケーションも成り立っている社会だが、他の国がそうだとは限らない。
少なくともアメリカは違うし、ヨーロッパの複数の国も違う。
日本のような社会では、高い地位の人が自ら何かをすることは大変特別であり
“有り難い”こととして受けとめられる土壌があるけれども、
権威者に対しても基本的には“対等”の立場を崩さないことが期待され、
階級の違いは、組織・社会の中での役割の違いであって「人間の偉さ」の違いではないことが
共通認識されているアメリカのような社会では
どこかの国の首相がテレビに現れたからといって、有り難がられるわけではない。
この広告の制作意図としては、首相を出すことによって日本の“本気ぶり”を出したいというところだと思うが、
知名度のない小泉首相が、日本とは違う階級意識を持った国のTV広告に登場しても
その“本気ぶり”が通じるというものでもない。つまり“奇妙”なのだ。

一方、「Invest Japan!」は、投資促進という政策を日本が国策として推進することを表す点において
小泉首相が登場し語りかける意味はある。メッセージもはっきりしている。
しかし、この広告の場合は、その表現方法が、
日本を代表して欧米で流れるものとしてあまりにもレベルが低いのだ。
ヨーロッパではどこのチャンネルでこの広告を流しているのかは知らないが、
少なくともアメリカのCNN Headlineでこの広告と並んで流れている広告の数々は
メッセージの表現方法、広告としての完成度としては、「Invest Japan!」よりもはるかにレベルが高い。
その流れの中でこの広告を見せられた視聴者の居心地の悪さは言うまでもない。

しかもCNN Headlineを見ているのは、一般的に高学歴なビジネスピープル、
ホワイトカラー、組織の中でマネージメント側にいる人々と言われている。
そういった人々、つまり日本への投資を考慮する可能性のある立場のある人々に
このダサいイメージをくり返しばら撒くことのダメージを、誰か考慮したのだろうか。
しかもそのダサい広告には、首相まで出ているのである。

(続く)





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最終更新日  April 11, 2004 10:07:41 AM
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