今日は大学院の卒業式。

私は卒業を延期して特科を履修しているので卒業するのはまだ来年になるが、多くの友人が今日卒業した。この友人・知人たちが今後それぞれの母国で、もしくは世界で活躍していく姿を見ることを本当に楽しみに思う。みんなのこれからに幸多かれ。

本当はみんなと写真が撮りたくて、今日式に出席する算段をしていたのだが（アメリカの大学の卒業式は、式へ出席は自己申請自己手続きだから、事実上いつでも式には出席できてしまう。学位がもらえないだけ（苦笑））、いろいろ考え合わせて結局やめた。

午後イチに美容院へアポを入れてあったから、それには予定通りに行く。ベトナム人のトウ氏のハサミさばきはますます鮮やか。前回バッサリ切ってもらった時の彼の腕前があまりに素晴らしかったので、今回も引き続きトウさんにお願いしてあったのだ。典型的東アジア人な私の直毛の髪は、やはりアジア人のテクじゃないと無理なようだ。今日の仕上がりもバッチリ。


その後、友人と一緒にミシガンの西岸へ灯台を見にいった。

ミシガン州は、左の手の、掌を下に甲を上に向けて置いた形に似ていると称される。



昔社会科の時間に学んだように、ミシガン州はGrate Lakesと呼ばれる五大湖地帯の中に位置し、三方を湖に囲まれた格好になっている。とにかく、個々の湖がバカでかい。今日行った西岸にあるミシガン湖が面積57,800平方キロメートル。琵琶湖が670平方kmだそうだから、優に86倍!!　これでも五大湖の中ではスーペリア湖、ヒューロン湖についで3番目の大きさにすぎない。

こんな地形のミシガンだから灯台は州のアイコンのひとつ。でも実は今まで見たことがなかったから、一度見ておきたかったのだ。海洋国出身、しかも日本海岸に母方の郷里がある私にとっては灯台は珍しい存在ではないのだけど、それだけに、たとえ海でなくても大きな水溜りを見ると落ち着くし、そこに浮かぶ灯台はなんとも懐かしい風景なのだ。

明日は仕事だし、あまりに遠いところはダメだと今日は近場のGrand Havenが目的地。ミシガンの灯台というと必ず写真が出てくる灯台がここにあると知ったからだ。

Grand Havenの街は小奇麗で裕福そうな小さな街。整備されたハーバーとコンドミニアムがたくさん建てられているところを見ると夏の避暑地なのだろう。クルマを降りて街を歩くと、人の視線を感じる。どうもアジア人は相当珍しいらしい。ちなみに街を出るまでアジア人は2人しか見なかったし、黒人はまったく見なかった。ミシガン北部（Up North）は真っ白だと聞いてはいたが、こりゃ本当らしい。

湖端の公園に出ると、目の前にはまさに海・・・のような湖がどこまでも広がっていた。対岸は見えない。どこまでもどこまでも湖。風が、潮風じゃないからサラサラしている。慣れ親しんだ日本の海と違うのはそれだけだろうか。

まだシーズンオフなためか、散歩する人たちがいる程度で閑散としていて静か。防波堤を歩いて先端の灯台まで風に吹かれながらゆく。赤い灯台が夕方が近い青空にすっきり立っていた。

お天気もよし、ゆっくり往復して景色を堪能。たとえ公害汚染で有名なミシガン湖でも、見ている分にはとりあえず害はなし。ここで獲れる魚は食べないほうが賢明だと言われるが、そんなことは感じさせないほど風景は穏やかで雄大だった。

砂浜まで戻ってくる。どういうメカニズムか、この州西岸の砂は非常に粒子の細かいサラッサラの砂で、湖岸には砂丘も点在するそうだ。

サラサラの砂を踏みしめながら黙って歩く。砂の上に並行してついていく足跡を眺めながらふと、人生を考えたりしてみる。

帰り道は、州内でも大きな都市のひとつ・Grand Rapidsへ立ち寄る。私の住む街とは比べ物にならないほど都会で、整備されたところだった。夕食には、「Cottage」という1920年代からサンドイッチを売っていたというレストランでツナサンドイッチを食べる。つけあわせのイモフライ（フレンチフライではない）が素朴においしかった。

またクルマを一時間ほど飛ばして街へ戻る。明日は仕事。さて、準備の続きをしなくっちゃ。