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June 9, 2004
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午後から笹川図書館で資料集めをした後、国会図書館へ行く。最高裁の並びにあるこの図書館、今まで何度も前を通っているが、入ったことはなかった。重厚な建物と、荘厳な、というか派手な屋内の装飾に圧倒された。今日は下見のみだが、そのうちメインのReading Roomにお世話になることだろう。

入館IDの申請方法なども教わり、ショップでお土産も買ってさて出ようかというところで、館内に警報が鳴り響き、警備員が走り回り、只ならぬ雰囲気になった。ショップの前で待っていた相方によれば、数分前から警備員のトランシーバーが騒々しく、『どういうことだ?』『確認しろ!』などの声が飛び交っていたらしい。誰かが本を勝手に持ち出そうとしたくらいではこの騒ぎにはならないよね、などと話しながら、警備員の誘導に従って外へ出ようとすると、今度は外にいた警備員に、『中へ入れ』と言われる。

『エ?どうすればいいの??』と戸口で立ち往生。すぐ後ろから出ようとしていた初老のご夫婦と顔を見合わせてしまった。結局、『やはり出てくれ』とのことでみんなゾロゾロと道路へ出て歩き始める。気がつくと、周囲のThe Capitolも、官公庁の建物でも警報が鳴り続けていて、人がゾロゾロ建物から出てとりあえず屋外に避難している模様だ。Ronald Reaganの柩が2時間後にはThe Capitolに安置されるというのに、いやはや大変な騒ぎだ、と思ってみていた。

この警報騒ぎは、Reaganの葬送に出席するケンタッキー州知事を乗せたケンタッキー州警察の小型機がD.C.の飛行禁止空域内に入りRonald Reagan Airportに向かって飛んできたため、生じたものらしい。通常この手の小型機は9・11以降、D.C.都心に隣接したReagan空港への立ち入りは禁止されていたのだが、このケンタッキー機は特別許可を持っていたそうだ。ところが、この小型機、地上に識別信号を送る送信機が壊れていて地上の管制塔で識別信号が確認できなかった。識別信号機をオフにするのは、テロリストやハイジャッカーに共通の手口だと言うので、管制塔騒然。飛行機が空港まで15マイルに迫った時点で警報を鳴らし、F-16とブラックホークが迎撃に向かい、空港から8マイルのところでケンタッキー機と確認、警報は解除されたそうだ。

きっとこの、元下院議員のケンタッキー州知事もケンタッキー警察もこっぴどく叱られたことだろう。なんともはや、という騒動だが、この日の警戒のピリピリぶりからすれば仕方なし、といったところだろうか。国会図書館を“避難”した私たちは、すぐ南隣のThe Capitolに沿って歩き、Ronald Reaganの柩のパレードを見るためThe Capitolの南側に出ようとしたのだが、The Capitolの建物の周りでは、抜き身のショットガンの引き金に指をかけた警備官が命令口調で通行人をさばいているし、いたるところに柵が張り巡らされて一般通行止めになっていて物々しい雰囲気。

官庁街らしく、7時からの柩到着・安置の式典に参加するらしい官僚やら関係者が喪服を着て歩いている。元大統領の柩はカリフォルニアからD.C.近郊のアンドリュー空軍基地に運ばれ、そこからD.C.市内へクルマで入り、D.C.ダウンタウンからThe Capitolまでは隊列を組んで馬車で柩が運ばれることになっている。柩は金曜日の国葬までThe Capitol内に安置され、この日の夜から、一般人に公開されることになっている。

回り道をしながらThe Capitolの南側の広場に出ると、まずは高いアンテナ塔を2本立てた警察の指揮官トラックが目に入る。広場の隅には、警備スタッフへ配るものだろう水のボトルの山がいくつも並んでおり、そらに大型送風機が何十機と設置されて風を送り出していた。

もちろん、もとになる運営マニュアルは存在するのだろうが、土曜日の午後Reaganが亡くなってから、おそらく昨日までの間に、誰かが運営マニュアルを書き上げ、これらの物品を発注・手配し、役割分担を決め、配置を設定し、膨大な関連部署と連絡をとり、きっと会議もやってコンセンサスをはかり、その結果として例えばここにこの水のボトルの山があるのかと思うと、気が遠くなる。イベント運営、特に大型のものになればなるほどその手際の良さリスク管理のきめ細かさは、その都市や関連組織の経験値に寄るところが大きい。その意味では、D.C.の各組織は儀典慣れ、イベント慣れしているだろうとは思うが、それでも尚膨大な仕事量だと思う。

広場の南端はThe Capitolを正面から見渡す絶好の屋外メディア・ポイント。夥しい数の報道各社の中継車が並び、アンテナが林立し、本番に備えてアナウンサーやスタッフが機械調整や原稿チェックをしたり打ち合わせをしたりしていた。元大統領の死去以来、メディアはレーガン賛辞一色である。産経新聞は『米メディア「20世紀を代表…」一致 レーガン氏を評価』と報じているが(6月10日3時31分付)、もう少し中立的な分析が出てくるのはおそらく彼の葬式が済んでほとぼりが冷めてからで、現段階ではeulogy(故人にたいして送る賛辞)の域を出ず、メディアが分析の結果そう報じているのではないのではないかと思う。

イランに武器を売って戦争を鼓舞していたイラン-コントラ事件もこの大統領の時だし、1980年代のニカラグアの内戦激化もレーガン政権の所業のひとつだ。奇しくも今、Kernellの『Going Public: New Strategies of Presidential Leadership』を読み返し始めていたのだが、彼は国際世論にも国内世論にも非難されてしかるべき政策や決断が数多くあったにも拘らず、PR戦術を駆使してその状況を泳ぎきってしまった人だ。アメリカ人ではないから、彼の死去も冷静に眺めていられるし、それゆえにこのレーガンに対するeulogyのオンパレードは、とても素直に聞いてはいられないのである。





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最終更新日  June 10, 2004 11:00:16 PM
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