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カテゴリ:アメリカ私考
時々、無性にケンタッキーフライドチキンが食べたくなる。特にタスクに追われて疲れている時に。友人のY女史と私は、これをケンチキ病と診断している。
疲れてくると、やたらジャンクフードを食べたくなったりする。Y女史が日本でお仕事をされている時、残業中の同僚がデスクへやってきて、『なんか、めっちゃ疲れて、めっちゃ体に悪いモン食べたいわ』と言ったとか。この症状に覚えがある人は少なくないようだ。ペーパーが終わらない夜中、おもむろにポテチを一袋あけてしまったり(しかもアメリカンサイズの)、あのヘビーなチョコッチップビスケット、Chips Ahoy!一袋を平らげたりと、普段では考えられない恐ろしいことをやってしまうのが同じ症状だが、ケンチキ病もその一種と思われる。 ちなみに“ケンタ病”とならないのは、私達が関西にルーツがあり、マックでなくマクド、ケンタでなくケンチキ、“カなぶん”(カにアクセント)でなく“かナぶん” (ナにアクセント)だからである。 で、ここ2週間ほどケンチキ病を患っていたのだが、忙しくて外食どころではなく、治療のタイミングを逃していた。 今日は、仕事から戻ってくると6時前。スペイン語の宿題を片付けるためには電子辞書のボタン電池を買いに行かねばならず、家には帰らず渋々買い物へ。途中ふと思い立ってY女史のオフィスへ電話。案の定、この土曜日の夕方にオフィスでお仕事されている女史。働きすぎである。『ケンチキ病なんです』と訴えると、じゃ、行きましょ、というお返事。やった!こういう時、チキンラバーズ仲間はありがたい。Y女史も私も、料理をすると肉と言えば鶏しか出てこないほどの鶏好きなのである。別件でお電話したM氏も夕食がまだだということだったのでお誘いして(こんなジャンクな夕食にお誘いするのも申し訳ないようなものだけれど)、現地集合でケンチキへ。 ケンタッキーフライドチキン。今ではKFCという新しい名前も一般的になった。85カ国12,878店舗(2003)を持つこの会社、Pizza HutやTaco Bellも所有するレストラント業の大企業、Yum! Brands, Incの一部である。KFCはアメリカだけで5,524店舗、このテのQSRチキンマーケットではシェア46%のジャイアンツ。ちなみにグリルチキンを売っている、シェア8%のBoston Marketも私達のお気に入りだが、今日は初志貫徹でKFCへ。 6ピースバレルに、コールスローサラダ、フライドポテトをプラスして、3人で$15なり。ズラズラ-と机に並べて、なんともジャンキーな風景。選挙の話、ブッシュ政権の話、そして三十路3人にはなんとも感慨深い紀宮さまのご婚約の話で盛り上がりながら、チキンをほおばる。う~ん、ケンチキ病が癒える。日本のケンチキの方が美味しいとは思うのだが、ケンチキはケンチキである。このスパイスにはきっと、一定のサイクルでケンチキ病が発症する、中毒性の魔法の成分が混じっているに違いナイ。 ところで、KFCのサイトをチェックしていたら、Animal Welfareというページができていた。昨年10月に勃発した動物権利保護団体によるKFC購買ボイコットキャンペーンへの対策。親会社のYum! Brandsは、The Yum! Brands Animal Welfare Advisory Councilという、学者による監査委員会を立ち上げ、ブロイラー業界から供給される鶏肉が”きちんと扱われているかどうか”についてガイドラインを作ったり監査しているのだそうだ。KFCは自社で鶏肉を製造せず、精鶏肉業界から購入しているのだが、キャンペーンの矛先は著名な大口購買側に向かったらしい。いろんな意味で、いやほんと、大変な国です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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