息子よ、恐れるでない。恐れは病だ。胸から追い払え。魂の目を覚ますんだ。自分の強さを信じろ。
『アポカリプト』
監督・製作・脚本・・・メル・ギブソン
脚本・・・ファルハド・サフィニア
出演・・・ルディ・ヤングブラッド、ダリア・ヘルナンデス、ジョナサン・ブリューワー、モリス・バード、カルロス・エミリオ・バエズ、アミルカル・ラミレス、イスラエル・コントレラス・バスケス、イサベル・ディアス 他
【STORY】
舞台は、マヤ文明後期の中央アメリカのジャングル。
誇り高き狩猟民族の血を受け継ぐジャガー・パウ(ルディ・ヤングブラッド)は、妻や仲間とともに平和な暮らしを送っていた。
ところが、ある日、マヤ帝国の傭兵による襲撃を受け、なんとか妻子を古井戸に隠した彼は、仲間とともに都会に連れ去られてしまう。そこで彼らを待ち受けていたのは、干ばつを鎮めるために生け贄えを捧げる儀式だった。
彼は大切な息子、愛する妻、そのお腹の中の新しい命 を救えるのか・・・?
またまた 凄い映画を観てしまった・・・
先日の『300』をグロいのが苦手な方には~つらいかも・・・と思いましたが~
この映画は、グロ系苦手、心臓の弱い方にもオススメできません。
私の隣席のおばさんは~時々「うっ!」と言って口に手を当てていたので~
お願い~吐かないで・・・と祈ってました。
それでも~ストーリーは単純明快・・・
妻子を助ける為に~主人公はひたすら走り続ける。
追われながらも、だんだん自分の「強さ」を見出してゆき、やがて反撃に・・・
「恐れ」を乗り越えた時~人間は強くなれるものなのですね。。。
かつてはアメリカ最大の文明であったマヤ文明が、なぜ滅びたのか・・・今でもわかっていない。
メル・ギブソン監督は、そこに焦点をあてつつ 自らが描きたかった本物のチェイス、現代のカーチェイスなどではなく、人間同士のエキサイティングな追いかけっこ・・・を絡ませ(というか、こちらの方が主ですが) この映画を作り上げました。
徹底的に「リアル」にこだわる彼は~全編、本当のマヤ語しか使わず~
登場する動物なども全て本物。
主人公をはじめとするキャストも、全員無名の人々・・・ネイティブ・アメリカンや本物のマヤ族の語り部や・・・
その主人公、ジャガー・パウを演じるルディ・ヤングブラッドは、ネイティブ・アメリカン。伝統的な祈祷ダンサーで、歌手で、画家で そしてクロスカントリーの選手で、ボクサーでもあるというアスリート。
演技は初めてでも・・・その目力は素晴らしかった。そして体全体が筋肉のようで~その躍動感。
原始的な 「本能に訴える走り」 には目を見張りました。
時々、息苦しくなったほどです。(ジッと観ていたら~本当に呼吸困難になりそうになって~)
出ている方、みな素晴らしかったです。
『300』とは又違う~肉体美・・・ 肉体美というのかな?
無駄のない体が美しい。動きが美しい。
それでも・・・あまりにも残酷なシーンが多く、さすがの私も「早く終わって欲しい」と思った。
映画を観ながら~早く終わってと思ったのは久しぶりかも知れません。
でも でも・・・そんな状態でありながら~目が離せないのです。
終わってみれば2時間18分が全然長く感じなかったし・・・
そしてラストが・・・そうか~そうきたか・・・という終わり方です。
私は、始まる前にパンフでチラ見してしまって~ ああ・・見なきゃよかった~と思いました。
読まなければ~想像もつかないラストでした。(気持ち悪いとかじゃないです~)
この映画に込められた意味が、最後にわかる・・・そういうラストです。
アポカリプト=ギリシャ語で 「除幕、新たな時代」 という意味
マリー的お気に入り度 ・・・ ★★★★★★★★☆☆ (怖気づいて未見の『パッション』今なら観れるかも・・・)
オマケ・・・「縫合蟻」知ってますか? 前にTVで見て驚いた蟻。
傷口を蟻の頭で縫合出来るの。 この映画にも出てきました~~~