古代ギリシャ、古代ローマ時代には「アラビア・
フェリックス(幸福のアラビア)」と呼ばれた。
紀元前7世紀頃、農耕や、印度・中国と地中海地域の
交易でシバ王国が繁栄、シバの女王一族は対岸の
エチオピア皇帝の始祖であるという伝承がある。
アラビア一帯は砂漠と思いがちだが、イエメンは国土の
7割が山岳地帯にあり、西は紅海、南はインド洋に面し
乾期には山肌を見せるが、雨期には山全体が緑の
ベールを被る。
段々畑で主食のキビ、粟、稗などと、コーヒー(モカコーヒー、
モカは南部港湾都市の名称)を作り、バナナ、パパイアが
涸れ谷で繁茂し、僅かの平地で豆、胡椒、馬鈴薯を、
砂漠平野で綿花、スイカを栽培、オアシスには棗椰子もある
とは言え、人口の45%は貧困ラインにある。
北部地域は16世紀からオスマントルコの支配を受け、
1918年イマーム王国が独立、1962年には軍クーデター
でイエメン・アラブ共和国が成立。
南部地域は英国が1839年にアデンを占領、保護領となり
1967年南イエメン人民共和国が独立、1970年イエメン民主人民
共和国と国名を改称。
度々の南北の武力衝突の後、1990年に統合され、イエメン
共和国が成立した。
インド洋に浮かぶ、龍血樹のソコトラ島なども領有する。
イエメンはアルカーイダの指導者だったウサーマ・
ビン・ラーディンの父親の出身地。
政治的な危機が続いたため、インフレが起きており、大統領
選挙の間中で大統領が米国へ治療のため出国する騒ぎが
起きている。
国名 | イエメン |
幸福度(エイドリアン・ホワイト氏) | 第91位 |
通貨 | イエメン・リアル(YR) 1$=240イエメン・リアル(2010年1~8月の平均/世銀) |
国花 | コーヒーの木 |
国旗 | 赤、白、黒の横三色はアラブ国家統一の理想を表す。 |
面積:平方キロ | 555千平方キロメートル (日本の1.5倍弱) |
人口:千人 | 23,580千人(2009年) |
人口密度:/平方キロ | 42人 |
首都 | サヌア 海抜2,300m 歴史の都はマーリブ |
言語 | アラビア語 |
宗教 | イスラム教 (スンニー派55%、及びシーア派 42%<ザイド派が大半>) |
政体 | 共和制 |
元首 | アブドラッボ・マンスール・ハーディー大統領 国民の直接選挙。任期7年。3選禁止。 副大統領、首相を任命。 大統領個人への批判は認められていない。 <政情不安で大統領辞表提出:2015.1.22> |
議会 | 代議院は選挙で選出される301名の議員からなり、立法権を有する。 議員任期は6年。 なお、イスラム政党も認可されている。 |
政権 | 首相 ムハンマド・サーリム・バシンドワ <2014.9.22辞任> 1990年、南北イエメン統一達成、イエメン共和国が成立。 1994年、南北対立が再燃、内戦(2ヶ月)が発生。旧北イエメン側の勝利により統一は維持。従来から貧困や地域格差等課題に加え,近年は2009年1月に結成された「アラビア半島のアル・カーイダ」(AQAP)によるテロ,北部のサアダ州を中心とするザイド派武装勢力との武力紛争,南部諸州(旧南イエメン)の分離運動,部族による外国人誘拐の課題を抱えている。 特にAQAPは,2009年12月デトロイト行き米航空機爆破未遂事件,また2010年10月シカゴ行き貨物機に小包爆弾を仕掛ける爆破未遂事件を起こした。 政府は米国等から協力を得、AQAP対策に取り組み。 様々な問題を抱え,近年、ソマリア沖アデン湾で頻発する海賊の取締り,ソマリア等の難民を受入れ。 2011年1月、チュニジア政変,その後のエジプト情勢の進展を受け,首都サヌア等でデモが発生。 2月2日,サーレハ大統領は2013年大統領選挙への事実上の不出馬,権力の世襲の否定等を表明。 |
軍事 (2009年/ Military Balance 2010) | (1)予算 15.5億ドル(2)兵役 2年 (3)兵力 66,700人(陸60,000、海1,700、空5,000) |
主要産業 | 石油・天然ガス産業、農業、漁業 石油生産は約30万B/Dで、輸出総額の約9割、財政収入の約7割(2009年BP統計)、生産量は年々低下、世銀は2017年頃に枯渇予測。 天然ガスを開発し、2009年10月から液化天然ガス(LNG)の生産、輸出を開始。 LNGの最大生産量は650万トン/年で20年間生産可能と予想。ただし、LNG生産でも財政収入減を補填できない見方。 財政収入、雇用機会の確保に、非エネルギー産業(漁業、観光業等)振興が急務。 2010年, IMF融資を受けるため,政府は燃料補助金の段階的削減を含む財政再建策の実施にコミット。 GCC,欧州等が最貧国として支援58億ドルを約す。 |
GDP:億ドル | 299.2億ドル(2009年) |
一人当たりGDP:ドル | 1,060ドル(GNI,2009年/世銀) |
実質GDP成長率 | 3.8%(2009年/世銀) |
消費者物価上昇率 | 11.2%(2010年) 2011年は混乱でインフレ率は30%に上昇見込み |
失業率 | 40%(2007年) |
財政収支(2009年度) | ▼0.4兆イエメン・リアル=歳入1.5兆ー1.9兆 |
財政収支/GDP比 | ▼約10%見込み(2009年▼4%)IMF |
外貨準備高 | 62.9億ドル(2009年/世銀) |
対外債務残高 | 62億ドル(2009年推定/世銀) |
対外債務残高/GDP | 21%(2009年年) |
経常収支(国際収支) | ▼12.5億ドル |
貿易収支(A-B) | ▼22億ドル |
貿易額:輸出A | 59億ドル(2009年/世銀) |
同 :輸入 B | 81億ドル(2009年/世銀) |
貿易品目:輸出 | 石油,コーヒー豆,魚介類,天然ガス |
同 :輸入 | 食料品及び動物(食用)、機械類、化学製品 |
貿易相手国:輸出 | UAE,中国、タイ |
同 :輸入 | アラブ首長国連邦、中国、サウジアラビア |
対日輸出 (2008年/イエメン政府統計) | 3.7億ドル 日本の原油輸入695千kl(12千バレル/日)輸入依存度0.3%(2010年) |
内訳 | 石油、コーヒー豆等 |
対日輸入 (2008年/イエメン政府統計) | 17億ドル |
内訳 | 機械類、自動車等 |
日本の援助 (2009年度まで) | 無償666.6億円 有償608.5億円 技術 94.0億円 |