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カテゴリ:アジア州
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日本は外国為替および外国貿易法に基づく 北朝鮮輸出入禁止措置を平成31年(西暦2019年)4月13日まで延長している。 輸出は北朝鮮仕向け地、 輸入は原産地・船積み地域とする全貨物(但し、人道目的等を除く) についてである。 (北朝鮮=朝鮮民主主義人民共和国) <北朝鮮地図:WIKITravel> ★ 国際連合で北朝鮮で核開発・ミサイル発射実験が度重なることへの 制裁(*)に伴う措置に対応するものである。 ////////////////////////////// (*) 国連憲章第7章第41条に基づく経済制裁を実施することを決定 ( 臨検の実施、奢侈品の禁輸、戦闘機・軍艦・ミサイルなどの 特定の兵器の禁輸とそれらに関連する物資や技術やサービスの 移転や調達の禁止等を決定) 国連の安全保障理事会はこの 8月5日、北朝鮮が7月に実施した 2回の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けて、新たな 制裁決議を全会一致で採択した。これにより年間 30億ドルに 相当する同国の輸出の3分の1を削減できるという。 米国が提出した決議は、石炭や鉄鉱石、海産物などの輸出を禁止 するほか、海外で働く北朝鮮労働者を現在の水準から増やすこと や北朝鮮との新たな合弁事業などを禁じている。 これには、北朝鮮との最大の貿易国である中国も石炭・亜鉛・ 海産物について輸入を禁止することに同意している。 ///////////////////////// ★ 北朝鮮は核開発・ミサイル発射実験などに莫大な費用を捻出するために 労働者を中国、ロシア、EUなどに 6万人弱( 10万人とも?)の人数を派遣して、 労働支払対価の 2/3を国家が吸い上げており、2014年には 1.3億ドルに 上るという。 ★ 2016年でみて北朝鮮の貿易額は 65.46億ドルであり、 そのうち中国が 60.56億ドル( 92.5%)とほぼ単独相手の様相である。 中国の北朝鮮からの輸入は 28.2億ドルであり、 そのうち繊維関係は 7.5億ドル( 27%)という。 非繊維品は 20.7億ドル( 73%)となる。 中国から北朝鮮への輸出は 32.36億ドル(=60.56-28.2)だろうか。 ★ 2017年上半期における中国から北朝鮮への輸出は 16.7億ドルで 前年同期比で 3割増加という。 そうすると、昨年上半期は 12.8億ドル程度(=16.7/1.3)で、 昨年下半期は 19.56億ドル程度(=32.36-12.8)と計算される。 下半期も上半期と同じように 3割増加するなら、 中国から北朝鮮への年間輸出は 42億ドル(=32.36x1.3)となる。 ★ 北朝鮮の繊維工場の工員の労働生産性は中国人の3倍と言う。 労働時間は 7:30~22:00と長く、休憩時間は厳格である。 開城工業地帯での賃金(北朝鮮ではやや高い賃金)を参考にすると、 北朝鮮工員は月平均 160ドル(最低 75ドル)に対して、 中国人では 450ドル~ 750ドルであるから、 北朝鮮工員は 36%~21%も安い。 そのうえに労働生産性は 3倍であるから人件費では 12%~7%かもしれない。 ★ 極端な机上の計算であるが、北朝鮮工員を雇うことで製造コストを 75%も節約できるというのは本当であろう。 そのような労働力は、どこから生まれるのか? 北朝鮮の工員は士気が高く、安い月給に甘んじて、さらに、 3分の1を自分の給与として受け取り、3分の2を国家党首に納めている。 世界中(特に中国、露国が多い)に低賃金、高生産性で労働力を派遣して 稼いだ血の滲むような外貨は、国家党首に集積されている。 自然界に譬えれば、女王バチを頂点とするミツバチの王国である。 「女王バチ」、「兵隊バチ」、「働きバチ」等役割はあるが、 すべてが「女王バチ=核心」のためにだけ「集団」は存在する。 中国も軍を中心としており、その頂点に核心的利益を 置いているから「女王バチ」の核心集団の様な気がする。 ★ 国際連合では制裁として、 北朝鮮の輸出の制限(石炭、鉄鉱石、海産物など)、 北朝鮮労働者の受け入れ増加、 合弁事業などを制限し、これにより北朝鮮の年間輸出 30億ドル の3分の1を削減できると見込む。 「捕らぬ狸の皮算用」という言葉を思い出す。 /// 中国では石炭、亜鉛、海産物の輸入を禁止するにとどまっている。 中国輸入の3分の1のこれら鉱物・海産物などが減ったとしても、 それに代わるものには制限がない。 中国の北朝鮮への繊維関係の委託加工生産、 中国国内での繊維関係の北朝鮮工員による生産などは継続増加している かもしれない。 さらに、中国が手を伸ばしている一帯一路や、アフリカ、中南米などを 含めての中国・北朝鮮の関係は未知である。 ///// 北朝鮮と同じ共産主義を採用する中国が、中国の支配下であった 朝鮮半島(西漢の武帝の時代2,100年前、元の支配下13世紀)を 見捨てることはあるまい。 また、第二次世界大戦終結時に朝鮮半島の北緯38度線を挟んで 北をソビエト連邦軍、南を米軍が管轄することとなった。 その後に北に「朝鮮民主主義人民共和国」、 南に「大韓民国」が樹立され互いに睨みあっているから、 北朝鮮には、味方として拒否権国のロシア、中国がいて、 南には米軍や国連が付く構図が続いている。 ///// ★ 本来的に、西漢や元朝の時代を経て直轄や深い君臣関係にある中国& (北)朝鮮(=高麗王国)の動きを 分離して考えようとするトランプ氏の思考方法に無理があるように 小生は感じる。 抜け道はいくらでもあるようである。 しかし、城攻めでは「退路」は1箇所だけは開けて置くべきともいう。 敗戦側でも「窮鼠猫を噛む」の譬えもあり、 全面戦争(B-1B爆撃機投入etc.)は得策ではあるまい。 「敵の仲間の中国に禅道するように仕向けるトランプ流」もあながち 馬鹿げているとも言えないのが現状である。 ★ Reuter誌の報道などを参考にした。 呆けの蒐集なのでゴミを選別していないかもしれない。 その限界を考慮して参考にしてもらいたい。 ★ 呆けの小生には判らぬことだらけである。 ★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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