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カテゴリ:政治・経済(国内統計etc.)
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日本貿易統計(~9月)が昨18日に公表された。 折角、財務省から詳しい資料が公表されているが 各新聞社ではそれを加工している。 ここでは敢えてほぼそのままに眺めてみたい。 ・対世界の貿易の差額(収支)は 東日本大震災(2011.3.11)による 福島第一原発事故で電力を火力に依存したことで 輸入(原油)が圧迫してきた。 貿易収支は、2012年度から2014年度に ▲8.2兆円→▲13.8兆円→▲9.1兆円、 2015年度上期は▲1.3兆円と マイナスが続いたが、 下期から1800億円のプラスに転じ、 2016年度は4兆円と大きく伸びたが、 2017年度は2.4兆円と低下し、 2018年度上期には2200憶円と 再び縮小している。 米国が企てる世界的な原油の 供給不足事情から石油価格が 高止まりしていることも一因。 ・対米向け貿易額の差額は 我が国の、文字通りのドル箱であり、 2012年度から2017年度に 5.3兆円→6兆円→6.5兆円 →7.2兆円→6.6兆円→7兆円であったが、 この2018年度上期では3.1兆円と 減速している。 (今上期は輸出単価指数が▲0.7%低下し、 輸出ドライブ?起こった? 対米輸入の増加は、米国産シェールオイル・ガス の増加や、トランプ大統領の押し売り圧力でもある。) ・対EU向けの貿易差額は 2012年度から2017年度にかけて、 ▲4200億円→▲7200億円→▲3800億円 →▲6300億円→▲1400億円→▲1800億円。 2018年度上期は▲2200億円と マイナス幅は再拡大中。 (輸入単価指数が11.5%も上昇し、 輸入数量指数が▲1.2%低下) ・対中国向けの貿易差額は 2012年度から2017年度まで ▲4兆円→▲5.6兆円→▲5.8兆円 →▲6.1兆円→▲4.2兆円 →▲3.4兆円と推移したが、 2018年度上期には▲1.3兆円と マイナス幅は前期比▲18.8%と 縮小した。 中国には日本の企業が多く進出しており 外地生産を分業としている日本であるだけに マイナスはやむを得ない。 <付表> 1.対世界、対主要地域別の 2018年度上期貿易伸び率 (金額・数量・価格:%) ![]() 2.対世界の2018年度上期までの貿易推移 ![]() 3.対米国の2018年度上期までの貿易推移 ![]() 4.対EUの2018年度上期までの貿易推移 ![]() 5.対中国の2018年度上期までの貿易推移 ![]() 主要品目を含めた 詳しい分析は賢明なる諸兄に委ねます。 特筆すべきは、原油・液化天然ガスが 値上がりしており、今までと違い米国からの それらの輸入が増加していることです。 天然資源の少ない「技術加工国・日本」が、 トランプ大統領の「押し売り問答」に屈し、 シェールオイル、シェールガスで活況を呈する 米国依存を強めた(強めざるを得ない)構図です。 6.今2018年度上期の 対全世界向け、主要地域向け、 主要品目分析 ![]() ![]() ![]() ![]() 以上の各表は、財務省公表資料から。 ☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 19, 2018 12:56:25 PM
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