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2006年08月24日
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環境問題を考えるの管理者:近藤邦明さんからメールを頂きました

感激です。
転載許可もいただきましたので、発表します。

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(近藤邦明さんからのメール)


 HPを見せていただきました。現在原子力発電の二酸化炭素排出量の問題で議論が続いているようですが、少し意見を述べたいと思います。

 まず、本質的な問題としては、二酸化炭素地球温暖化というものが事実ではありませんから、二酸化炭素排出量の少ない発電に切り替えることの必然性は既に存在しないと考えています。実は従来ずっとこう考えてきたので、エネルギー問題、発電問題には興味がなかったのですが、現実は温暖化防止と称して、原子力や自然エネルギー発電が政策的に導入されようとしている状況は見過ごせないと考え、心ならずも少し深入りしております。

 そこで、スーパーカブラーKさんの主張なのですが、これは多分電中研報告(Y99009)『ライフサイクルCO2排出量による発電技術の評価』からの数値なのでしょうが、全く具体的な算出の過程が示されていないかなり意図的なデータです(電中研=電力中央研究所)。同じく電中研報告書(Y94009)『発電システムのライフサイクル分析』に同種の分析がありますが、まったく二者に整合性がありません(私としてはY94009の方が実態に近いと考えています。)。これについてはHP管理者からNo.178で触れています。

 もし、Y99009のデータが正しいのならば、原子力や自然エネルギー発電が、公的な補助を投入しなければ普及が見込めないという現実の状況は起こり得ないはずです。

 例えば報告では、1kWh当たりの二酸化炭素排出量が石油火力で742g、原子力で28gですが、拙著(注1)p138を参照していただくと分かるとおり、石油火力発電では0.262リットルの石油を消費します。原子力はその28/742ですから0.0099≒0.01リットルです。石油価格を1リットル20円としますと、原子力のエネルギーコストは0.2円/kWhです。これが発電の総コストの20%だとしますと、発電コストは0.2/0.2=1円/kWhになりますから、原子力発電はぼろ儲け・・・になるはずですが、現実にはそうなっていないのです。

 EPT(注2)にしてもそうですが、公式に発表されているエネルギー産出比に関するデータは、統一基準が無いこともあって、まったく使い物にならないのが実態です。そこで次善の策として、拙著でも触れましたように、経済コストからエネルギーコストを推定しています。経済コストの内、(火力発電の場合には燃料石油を除いた)設備建設と設備運用・廃棄コストなどの20%程度が石油のコストであるというのは概算ですが、それほど大きな誤りのない数字だと考えています。原子力や太陽光発電はむしろもう少し高めの値となると考えています。

 こうした、個人としては直接確認しようがないデータによって政策が誘導されるのだと思います。

近藤邦明

(転載終わり)

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(注1):近藤邦明著 『温暖化は憂うべき事だろうか CO2地球温暖化脅威説の虚構』不知火書房
(注2) EPT(エネルギーペイバックタイム):ある発電システムの運用に投入したエネルギーを、その発電システムからの出力で賄うために必要な運転期間を表す指標







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最終更新日  2006年08月25日 09時14分26秒
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