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Apr 4, 2008
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カテゴリ:Movie

今夏、約20年ぶりに「インデイ・ジョーンズ」が復活する(『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』)。主演のハリソン・フォードは既に66才。以前のようにはいかなくともそれなりにアクションシーンもあるようで、期待される反面ちょっと不安もあるような。
ハリソン・フォードと言えばジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ』で一躍有名となりましたが、同作品にはもう一人主演男優がおりました。言うまでもなく、ルーク役のマイク・ハミルですが、『スター・ウオーズ』後はあまり目立った作品はなく(『光る眼』位か)、近年はTVドラマなどでいやらしい中年の役を演じたりしているとか。そんなハミルの代表作にあげられるのがこの『最前線物語』です。

米陸軍第一歩兵師団に所属する一分隊。4名の二等兵(マーク・ハミル、ロパート・キャラダイン、ボビー・デ・シッコ他)は古株の軍曹(リー・マーヴィン)と共に北アフリカに上陸する。作戦時には必ず先鋒を命じられるので4名は不満を持ちつつも次第に成長し、どんな激戦でも生き残るため『四銃士』と呼ばれるようになる。分隊は北アフリカから欧州へ。ドイツ軍の抵抗は激しいが、部隊は一歩一歩駒を進めていく・・・


原題の「The Big Red One」は米陸軍第一歩兵師団の別称で、同時にその肩章を差します。本作は師団所属の一分隊の第二次世界大戦中の足跡を綴った内容ですが、若輩4名がベテラン軍曹に鍛えられ徐々に逞しくなっていく、人間ドラマとしての比重が大きくなっています。

といってもいきなり超人になる訳ではなく、様々な経験を通じて少しづつ成長するので、印象はかなリ地味です。北アフリカ上陸~シシリー島上陸~ノルマンディー上陸~アルデンヌの戦い~チェコ進入というそれぞれ大きな作戦を舞台にしているので、戦闘シーンもそれなりに迫力はあるのですが(特にノルマンディ上陸は『プライベート・ライアン』には負けるものの、かなりの迫力)、基本的に少人数の小戦闘なので、昔のTVシリーズ『コンパット』を思い出します。


またリー・マーヴィンだと『特攻大作戦』も連想しますが、本作でのマーヴィンは第一次世界大戦にも従軍した老軍曹という設定であり、『特攻大作戦』のように無茶苦茶をしたり、部下を激しくしごくということはありません。指示は厳しいものの口数は少なく、若手のよき理解者といったところ。後半は軍曹のヒューマンな側面がさらに強調されてきますが、第一次大戦時の出来事がよい伏線になっており、嫌味はありません。チェコのユダヤ人収容所で、大量の焼殺体を見たハミルが呆然となって敵兵の死体に延々と弾を撃ち込むシーンがあるのですが、普通なら軍曹は「もう止めとけ」と止めるでしょう。でもここでは「もっと撃て」と静かに予備の弾倉を渡すのです。軍曹の優しさと過去への想いが滲み出てなかなか素晴らしいシーンでした。そして軍曹が肩車に乗せた少年の死。このシーンは短いですが強く印象に残ります。


ハミルは準主役扱いなので他の3人よりは見せ場があります。ロバート・キャラダインはキャラダイン兄弟の末弟。ボビー・デ・シッコは当時「80年代のアステア」と呼ばれたダンスの名手で『1941』にも出ていました。

マーヴィンが語る兵士の極意「生き残ることだけが真の栄光」が耳に残ります。安直な反戦映画など吹っ飛んでしまう本音の映画。といってもただ重いわけではなく、娯楽性も兼ね備えているのでなかなか大したもの。かなりお勧めできる作品。渋いです。


監督:サミュエル・フラー
製作:ジーン・コーマン
脚本:サミュエル・フラー
撮影:アダム・グリーンバーグ
音楽:ダナ・カプロフ

1980年・アメリカ / 110分 / 評価:4.5点 / 子供:○






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Last updated  Apr 4, 2008 10:34:48 PM
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