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多文庫の間まで

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Illimone

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2007.02.11
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カテゴリ:書評

ここのところ暖かいし雨は降らないし、ちょっとまずくないか?何がって、先日埋めたチューリップの球根!今年は、近年をはるかにしのぐ..その逆の寸足らずのチューリップが咲くかも?まだ咲けばいいんだけど。毎年、球根を埋める度に<我が人生で後いく度この作業が出来る事やら..泣き笑い>と思いつつ。年に一度の作業なんて、人生でカウントすると、100回には到底満たない。何かこう恒例の作業にワクワクどきどき感をプラス。そう、例えば、何時ものごとくシャベルで土をかきわけていく。すると<ガチット>何か硬い物に刃先がぶつかり、いぶかしみながらさらに掘り進むと去年まではそこに無かった金属製の壺の様な物体が!今まで見たことも無いような絵文字のような物が、金属で出来た物体の外側一面に刻まれていた。いったいこれは何なの?誰が?もしやリアルUFO!と言う事は、我が家は、宇宙人に監視されていたりして。こんな事を考えながら、チューリップを植えている私が真っ先に生態観察の材料として連れ去られてしまう。当然ここにいる私は、ダミーですよ。驚愕の出来事がそこから始まる。と言いたいところだが、現実には切断された死体の一部がある方リアル。失敗本題に入るまでの無駄が多すぎる事を深く反省し、清張の<考える葉>を紹介します。昭和37年に初版が発行されています。この話もスケールが大きくて、第二次世界大戦中に、日本軍が南方から日本に錫・鉛・白金・ダイヤ等の貴金属を大量に持ち込んだが、終戦のドサクサで行方不明。そこへR国から、これらの貴金属に関する調査団が来日。調査団の団長ルイス・ムルチは大の女好き。そのムルチは、何者かにピストルで殺害された。その殺人犯にされかかったのが、崎津弘吉と言う青年。あまりにも目立たない登場の仕方なので、脇役かと最初思っていたほどだ。この青年を事件に引きずりこんだのが、井上代造。そして、この井上氏は今をときめく若手実業家<板倉彰英35歳>の便利屋である。なお板倉には、政界の大物<中野博圭>とのつながりがあった。中野が社長をしている<大日建設>の敷地そばで一人の浮浪者が死体で発見された。実はその前にも一人の男性が身元不明の殺人死体となって発見された。一見行員風で、胸の辺りの皮膚の一部が切り取られていた。その変った死体のズボンの折り返しに安山岩の石の粉が。この事件を探っていくと津崎弘吉の従兄弟が硯職人をしている山梨の落石村と関係が出てきた。死体になった男も硯職人いったい誰がなぜ殺したのか?そしてまた、弘吉をスカウトした井上も殺されてしまった。いったい隠匿された日本軍の貴金属は何処に。そして誰が、何のために殺人をしているのか?謎は深まって行く。と言った風に伏線が縦に横にはりめぐらされ、情景描写がすばらしい。現地に立つ刑事の目ではっきりと状況を見る事ができる。卓越した文章力でお見事。そして最後に近づくほどスピード感とスリルは増して来る。満足の一冊である。






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Last updated  2007.02.11 19:31:23
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