デジタル田園立国を目指す事を力説しコロナ対策・経済対策に重点 !
～ 自身の言葉で語る岸田総理に好感するも問われる「政策の実効性」 ～
コロナ対策と経済対策を中心としながら外交・防衛問題・拉致問題等さらに国家安全保障
についても言及するなど原稿に目を落とすことなく、淡々と語った記者会見は、久々の総理大臣
として好感が持てた。しかし、周りに気を遣うが故にブレまくる事が危惧される。
デジタル田園国家を標榜するにつけても足場を固めるためには、経済対策や教育等の体制整備
が確実に仕上がらなければ、「単なる絵に描いた餅」となる事必定。
その足場を固める意味からもコロナ対策と経済対策が最優先とされる。
コロナ対策では、飲み薬開発や検査体制・感染者保護体制等に言及して、それなりのやる気を
示した。また、経済対策では、かつて元総理大臣安倍晋三氏も実施した様に経済界トップとの
直接交渉による賃金アップを要求すると言うも、これまで財界には、裏切られ続けて来たのに
「また、同じことを繰り返すのか」との危惧が広がる。しかし、交渉ポイントは、安倍氏の時
に総賃金での上昇率に応じた優遇税制を適用したが、岸田氏は、「給与平均のアップ率」に応
じた優遇税制に切り換える事を明言した。
さらに教育に至っては、就学継続を図るために財政出動を徹底する事にも言及した。
そして、拉致問題に至っては、金正恩氏との直接対話の機会を得て直接交渉する腹もみせた。
また、国家安全保障問題については、サイバー対策・宇宙防衛対策の念頭にある内容をすら
すらと語り、既に念頭に確たる思いが定着している事を示した。
総ての政策の基本を為すものとして、「多様性ある誰しも寛容する社会をを目指す」と
している。
そこで、給付金については、子育て世帯に対する子供一人当たり(18歳以下)10万円の
給付に言及したものの、「何故、国民一律支給にならないのか」との質問については、
コロナ禍での困窮世帯に様々な支援との話しで回答を避けている。つまり、「国民一律は
無い」と言う事に等しい。国債発行に財務省からの歯止めを掛けられている様子を伺い
知る事ができる場面であった。
つまり「何処を見て政治政策を実施するのか」が問われている訳である。
なお、10人弱の記者らからの質問にも丁寧に答弁をしながら、一切、原稿に目を落とす
事もなかった。その質問の中でも際立っていたのは、エネルギー問題に関する答弁であった。
それは、水素・アンモニアによる発電の実現とこれに対する10兆円もの資金投下をも想定
している事が明らかになった。
さらに「COP25では、先導役を担えるだけの立場から気候変動問題にも対峙して行きたい」
との姿勢を示すなど意欲的な姿勢を示した。
だが、「そこに立ちはだかる財務省の壁をどれだけ早期に岸田内閣方針に従わせる事ができる
のか」が大きな問題となっている事は、誰しも危惧するところである。
万が一、岸田政権が国債発行の号令を掛けても財務省が動かなければ、実現しない一面もある
だけに岸田内閣と財務省の攻防戦から目を離せない。
何れにしても国民生活底上げに結び付かないものであれば、岸田内閣の政策は、失敗に終わる。
