月夜ばかりじゃないわよ！

今夜の夕食は「タイすき」だなとダンナが言いました。

「ん？たいすき？鯛好きだったけ？」ととぼけると

「ちげ～～よ！タイの国の鍋だよ。」

「はぁ？でもまだカレーがいっぱいあまってるしなぁ・・・」と台所の鍋をちらっと見ました。

「あのな・・・そりゃ俺はカレーが好きだよ。だけどなこう毎日カレーばかりじゃさ。いやんなるよ。」とダンナが悲しそうに言いました。

「なに言ってるのよ！昨日わたしがうなぎを奢ってあげたじゃない」と胸を張りました。

「そうだけどさ。木曜日の昼に会社でカレーを食べて、夜も家でカレーだろ」

「そんなのわたしのせいじゃないじゃん！あんたが昼に何食べたかなんてわからんもん！」

「それはまあしかたないとしてもだな・・・金曜日の朝はカレーパンだったし・・・」と文句を言い始めたので

「しょうがないじゃん。カレーパン安かったんだからさ」

「昼はどうよ。カレーうどんだったよな？」とダンナが確認します

「だってあんたがうどん食べたいって言ったんじゃん？」

「そうだけどさ、何もカレーうどんにしなくてもいいじゃんか！」

「だってルーが余ってたんだもん」

「その上夜はカレーハンバーグにしただろ！」

「わたしたちのカワイイ娘がハンバーグを食べたいって言ったのよ。」

「なにもカレーをかけなくてもよかったろ？」

「ううん。ソース切らしてたからさぁ・・しょうがないじゃん」

「土曜日の昼もおまえ・・・しつこくカレースパゲッティを作ったろ！」

「あのねえ。平日の昼間は家にはわたししかいないのよね」

「だからなんだよ～～」

「だから～～～月曜日までカレーが余ってるとさぁ。わたしが食べなきゃならんのよ！」

「じゃあ食べなきゃいいだろ」

「ナニ言ってるのよ！食べ物粗末にすると罰があたるわよ！」

「冷凍すればいいじゃんか！」

「ばっかね～～そんなことしたら冷凍庫の中で行方不明になるだけよ」

「・・・・１０年後ぐらいに発見されるってか・・・」

「そうよ～～。だから今夜もカレーを食べればきれいに片付くんだから～～ね」とわたしが優しく諭しました。

「イヤダ！罰が当たってもいい！今夜はタイすきにするんだぁあ」とダンナがダダをこね始めました。

「・・・ほんとわがままね。いいわ・・・そのかわり明日の夕飯はカレーチャーハンよ」

「（￣□￣；）まじで？・・・わかったよ・・・」

「ψ(*｀ー´)ψ 　じゃあタイすきよろしくね」

「（￣ｏ￣）　え？　オレが作るの？」

「当たり前じゃない。わたしはタイすきなんて見たこともないんだしぃ（｀▽´）」

「ただの鍋だよ。タイ風のさ」とダンナが焦ります。

「だけどタイ風ってなによ？わかんないわよ。いやならカレーにするわよ！」

「(￣Ｏ￣；）・・・わ、わかったよ・・やるよ。」

・・・・・・・・（（ T_T) トボトボ

諦めてダンナがキッチンでタイすきを作りはじめました。

ほんと人に作ってもらうお料理っておいしいですよね～～。

「タイすき」って辛いけどおいしかった～～～。




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